映画「ミッドサマー」作品を横断する不気味な裸

少し前に注目を集めた映画「ミッドサマー」がNetflixで配信された。ショッキングな内容だという噂は耳にしていたのだが、怖いもの見たさでつい手を伸ばしてしまった。

ホラー作品とは思えない美しくそして明るい画作り。どことなく不気味で寒気がする演出。ホラー映画が苦手なのにも関わらず、思わず引き込まれてしまった。ヒリヒリとした緊張感を持続させることで、最後まで観客の集中力が途切れないように工夫されている。

本作を手がけたアリー・アスター監督の他作品も気になったので、前作「ヘレディタリー 継承」も続けて視聴。アスター監督は同作で長編監督デビューを果たしたようである。

「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」には共通する要素がいくつか存在するが、その中でも特に目を奪われたのが「裸」だ。裸をエロチックに描くのではなく、毒々しくグロテスクなものとして表現することに強いこだわりを感じた。

「ミッドサマー」では光の中で、「ヘレディタリー 継承」では闇の中で裸が不気味な存在として映し出される。衣服を身につけることで隠され、通常であれば第三者に見られない人間のある部分が、ある種乱暴に現れるのだ。

そこにどうしようもない恐怖を感じてしまう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?