HIP HOP×女子アイドルの黄金比「リリスク」に一緒にハマりませんか!!

ひとことで

時間がない人に向けて要点を

5人組のガールズRAPユニット lyrical schoolリリスクは、
・本格的なボーカル&ラップスキル
・ビジュアルや声のキャラ立ち、それら個性の掛け算
・HIP HOPに等身大なガーリーさをブレンドしたステージングや楽曲群

これらが組み合わさって他に類を見ない魅力が溢れています、みんな一回ライブ映像を観てほしい!!

Intro~リリスク・ショックまでの流れ~

さて、もう少しゆっくり読んでくださる方はここから。

まず、元からリリスクファンだという方へ。僕は本格的に追いはじめてから一週間弱という、ビギナー中のビギナーです。長く追っている方からすると首を傾げる点もあるかもしれませんが、どうかご笑覧くださると(補足などあれば教えてくださると……!)

ただ多くの方にとっては、恐らくはそれほど聞き馴染みのないユニットだと思います。少なくとも僕のフォロイーさんが話題に出していた記憶はないので、だからこそ知ってほしいと書きました。

さてさて。アニソンからHIP HOPまでアーティスト推しが多い僕ではありましたが、「パフォーマーとコンポーザーが一体/固定に限る」という傾向がずっとあって。基本的には曲の好みが重なってアーティストを推すタイプなので、コンポーザーが流動的だったり、楽曲よりもキャラクター性が先行しているようなアーティスト陣、特に「アイドル」にハマることは非常に少なかったです。
むしろ、特に女性アイドルに関しては苦手意識ありましたね……ボーカルだったり演出の方向だったり歌詞だったり、理由は色々ですが。凄いのも可愛いのも分かるけども肌には合わないというのが十何年と続いていました。ビジュアルとかダンスにそんなに関心も向かなかったですし。
(そう思い込んでいたのであまりアンテナを張ってなかったともいう)

藤くん(BUMP OF CHICKEN)や太志さん(Aqua Timez)のセンスや優しさだったり、サウンドプロデューサー+ボーカルという構成のfhanaだったり。Kalafinaも、3人の奇跡的なハーモニー(リリスク伏線1)と梶浦さんの世界観の融合に惚れていましたし。

そんな僕に、ここ2年くらいで日本語ラップブームが来て、ラップというボーカル表現とライミングという文芸表現の面白さに染まっていき(リリスク伏線2)
その中で1つの例外、キャラクター先行で作家は流動的で、しかし楽曲群が最高にハマる、というコンテンツが出来ました。そう、ヒプノシスマイクでございます。声のプロたる声優さんと歴戦のHIP HOP作家陣による、個性の強い声と楽曲の化学反応(リリスク伏線3)は中毒性が非常に高かった。

やはりRHYMESTERは掘り甲斐が凄い、というきっかけから宇多丸さんのラジオ「アフター6ジャンクション」を聴くのが日課になり、19時台の日替わりライブコーナーで多くのアーティストに触れ。

この回で初めてリリスクに触れて。「へ~、カッコ可愛い女の子ラップもあったもんだな~」と楽しみつつも、楽しみつつも名前を覚えるに留まりました。ここではまだです(リリスク遭遇1)
というのも、ガールズラップだと(こちらも同じ番組で知りましたが)RYHMESTERの弟子であるところのhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)が先に来ていて。格好よすぎるラップスキルに加えて、濃厚すぎるRHYMESTER文脈があったので、一緒に掘っていくのが非常に楽しかったんですね。

それから年が明けて、つい先日。
唐突にリリスクの存在を思い出して、気になっていたきり掘っていなかったな~と検索をかけて、まずは動いているところを見ようとYouTubeに飛び。

これは……
ラップうめえ!!
自由なノリ方いい!!
それぞれの声の個性すげえ!!
後やっぱり可愛い!!!

と。ラジオで音声だけ、移動中にぼんやり聴いていただけでは見逃していた魅力に、瞬く間に取りつかれました(リリスク遭遇2)

ちなみに、アトロクで初めて知ったと思い込んでいたんですが。

これリリスクだったんかい!!(リリスク遭遇0)
このときはメンバーの半分以上が違いましたし、方針もだいぶ変わったようですが、熱い伏線回収でした。

結成から現体制までの流れはWikiさんやこの記事が詳しいので割愛しますが。メンバーがガラッと変わる中で、「もっとガッツリHIP HOPに寄せていいんじゃ?」という方針が見えてきたようです。

という訳で、彼女たちの魅力、特にライブパフォーマンスについて、知ったばかりなりにお伝えしようと思います。

こちらのメドレーでのシーンから例を拾ったりします、観られる方は是非。

リリスク流HIP HOPの魅力

これまで、アイドルがラップを曲に取り入れていることは数多くても、曲もステージもゴリゴリHIP HOPで全員ラップ担当、というグループはそれほど多くないと思います。知らないだけ、という側面はありますが。

(こちらの連載に詳しそうなので、後でゆっくり見て回ります)


それを中心に据えている現リリスクのステージの特徴はというと。
・ユニゾンでの発声の幅の広さ
・それぞれの声やフロウ(節回し)の個性
・同じ人での声色の変化
これらが楽しいのに加えて、

・DJのターンテーブル使いとの掛け合い
・細かいマイクリレー
・文末での「かぶせ」
が大きな要素になるんですよね。かぶせってのは小節のラスト、特に脚韻が掛かっているところを一緒に歌うってのです。分かりやすく「恋愛サーキュレーション」で喩えると、

いまこの同じ【瞬間】
共有してる【実感】

この【】を花澤さんにかぶせる、みたいな……喩えとして適切かはともかく。誰かがメインでやりつつ、小節ごとに「縦をしっかり揃えて」「違う声色を足す」ってのは、一体感と解釈の広さが同時に味わえて好きです。
(ラッパーのライブだと客が「かぶせ」やること多いですね、RHYMESTERの「オイ!」のかぶせレスポンスは客も職人の域)

加えて、
・振り付けを決めず、それぞれが好きに動く
のも、アイドルでは珍しいような。勿論リリスク曲でも振り付けがある曲は少なくないですが、意識してフリー曲を増やしているとの発言は見かけました。

僕が元々、カッチリ動きを決めるよりは、それぞれが歌詞やビートを好きに解釈してアドリブで動いていくってスタイルの方が好きなんですよね……勿論、揃えるからこその緊張感や美しさは絶大ですし、Perfumeあたりまで来ると「人間国宝……!」という感動を受けたりもしますが。好みとして。
その点で、振り付けを減らしてメンバーの個性発揮やボーカルに集中させるというスタンスは非常に「分かりて」でした。


今回のライブ動画でも、ソロでない人は要所でかぶせたりレスポンスしたりつつ、煽ったり跳ねたり回ったりダッシュしたりと、思い思いの方法でオーディエンスとのコミュニケーションやステージの盛り上げに貢献していて。こういう所でのそれぞれの性格やステージ観の出方、手振りや重心の癖、面白いですよね……
それでいて激しいダンスパートや、ぴたっと揃える瞬間も見事ですし。

さて、全体をさらった所でメンバーごとに。(少し昔のですが)濃密な単独インタビューと、自分なりに考えてみたコピーと共に(なんでいつも考えたがるの?)

Ms. Gatlingなラップマスター・himeさん

映像の冒頭、中央でカウントしてる彼女です。
ガトリング云々は安直なZeebraさんオマージュですが、そうしたくなってしまうくらい、とにかくラップが格好いい。

音の放ち方やリズムへの乗り方、単語の強調の仕方とか、ラップを格好よく聞かせるためのスキルが染みついている印象です。バキバキで最高、速いフレーズもお手の物。
少し低めのキーでキレよくと決めたかと思えば、トーン上げて女の子っぽく歌ってみたり、声色の使い分けも楽しいです。

映像中だと、1曲目の2番での人力DJ的なロングブレスに掴まれました。2曲目の最初のverseも貫禄ばっちりですし。


元からHIP HOP文化に詳しいらしく、他のラッパーのスタイルを参考にしたりインタビューで引用したりしていて。インタビューでの語りも熱いですし、技術的にも精神的にも牽引役……という印象ながら、なんと最年少だそう。
ラップしてるときはスタイリッシュでオトナっぽいんですけど、童心ではしゃいでいるシーンも多くてギャップにもやられます。キメでの踊り方とか跳ね方とかすごく可愛いですし。

ラップ好きから入った身としてはまさに「こういう子だよ会いたかったの!」という方です、推さずにはいられない。

耳が歓喜に震える技巧派Diva・minanさん

一番背が高くて、映像だとポニーテールにしている彼女です。
歌声も綺麗ですしピッチの安定感も圧倒的、聞いた瞬間に「上手い!」となった方です。

メロディの大事な所を担当されることも多いようですし、ハモに回っても綺麗。たまにゾクっと来る綺麗なハモが聞こえたと思うとminanさんがいる、みたいな。
そしてラップにしても、音程を細かく調整して一番気持ちよく聞こえる、感情が伝わるフロウにして届けてくれている印象です。ニュアンスの込め方とかもすごく上手い、持っていかれる。
音程がブレても成立しやすいのがラップの特徴だからこそ、こうやって音程に長けた人のスキルが際立ちます。
スラリとしていて身のこなしが映えますし、クールな佇まいが格好いいです。歌っているときの表情、曲への入り込み方も別格なような。

映像だと2曲目の中盤でのソロパートが最高でした、空気ガラッと変わりますよね。

ボーカル推しを拗らせてアーティスト観が面倒くさくなった身としては好みど真ん中です、推さずにはいられない。

ほんわか妹系×隙なしオールラウンダー・yuuさん

小柄でショートボブの彼女です。
動いているの見た瞬間に「あ、好き」となりました。この妹感、「守ってあげたくなる」ツボを刺激する感じ。

笑った表情もガーリーで、ノリ方もちょっと背伸び感ありますし。女の子の雰囲気としては真っ先に刺さりました。次元を問わず、こういう子には弱い……

などとお兄ちゃん気分でいると目が覚めます、歌もラップもダンスも凄まじく上手い。
メロディは安定感ありますし、ラップはハイトーンなフロウもバッチリ決めますし。そしてダンス、今回の映像だと1→2曲目のつなぎパートでrisanoさんとペアでキレッキレの振りを繰り出してます。
1曲目の途中でminanさんと高音ハモを響かせたりもしてます、「何やらせても上手い」が似合う。

映像だとさっきのダンスもそうですが、2曲目の前半で全く違うフロウを続けざまに繰り出していて痺れました。リズムもキーも制御が上手い……
後、映画の話も好きらしいので親近感です。

しかしまあ、このルックスでこのスキルは虜はズルい二段構えですよね、推さずにはいられない。

イケボ全開の盛り上げ隊長・risanoさん

冒頭で煽りMCやってる茶髪の彼女です。見た目より先に声の印象が強烈なはず。リリスクのライブが刺さったの、最終的にはこの方のせい。

聴いてもらえれば分かる通り、ハスキーボイスと流暢な英語で繰り出される煽りやガヤがめちゃくちゃ格好いい!
今のリリスクのライブの空気に満ちるHIP HOPらしさを引き出しているの、彼女のこの声だと思うんですよね。このザラっとした耳触りは明らかにアイドルっぽさからは浮いていますけど、HIP HOPのビートには非常に合う。
お客さんからのレスポンスも彼女に応えての声援が多いですし、バイブス上げに一番大事な役回りをしていそうです。

勿論、ラップにも合う声です。姿勢といいトーンといい、ガールズというよりは男声ラッパーの印象に近くもあって。僕みたいにラップ好きから入った人は、彼女のゴリゴリしたムードにぐっと掴まれるんじゃないでしょうか。
かぶせとかユニゾンでも、混じっていたら確実に分かる、というより引っかかる声なんですよ。この引っかかりが最高に好き、リリスク独自のアクセントになっているように思います。低音の充実にもなりますし。

そんなrisanoさんですが、小さい頃から磨いていたのはダンスだったそうで。「ダンス勉強する!」と高校生のときに渡米したという、物凄い行動力。そこで本場のHIP HOPを身体に叩き込んでいたのが、今のパフォーマンスにつながっているようです。
そのダンススキルは先述のyuuさんとのペアダンスで拝めますし、仕草もダイナミックで格好いいです。インタビューを見るに、その辺も本能でやっているそう。
後、一番ステージ移動が多いんじゃないでしょうか。客席側に近づいていったと思ったらDJブースにいたり。3曲目の途中で、水のボトルを持って歩き回っているのクラブっぽくて笑いましたね……クラブだったらアルコールですが。

踊りにしろ声にしろ、「このライブ好きだわ」の後押しに絶大な効果を発揮してくれました。推さずにはいられない。

目が合ったオタクは逃さないキラースマイル・hinakoさん

ちょっと背が高めでツインテールの彼女です。
シンプルに圧倒的に、「ズルい、可愛い、間違いない」

既存の可愛い路線のアイドルとは違った要素の多いリリスクにあって、いかにもお嬢様然・アイドル然としたビジュアルや空気感をお持ちです。そして仕草もあざとい。
笑顔ひとつでざわざわするのに、客席に向かって首を傾げたり口に手を当てたり、かなり強調された「爆レス」を送っていて、それが非常に似合う。ちなみにこうした仕草のインプット元はディズニーキャラの「喋らないけど魅せる」動きだそう、ファンシーながらも合理的……!

実際に1曲目の途中でも「カバンに詰め込むmoneyとミニー!」と歌ってますしね、その辺の仕草も含めて超キュート。こうやって歌詞が各メンバーに寄せたフレーズになっているのも面白いです。

声にしろ表情にしろ、ラップしながらも「照れ」が残っていることが多そうで。全員がそうだと「いや、そこはクールに決めてください?」となるんですけど、一人だけなら非常にいいアクセントになっています。
加えて、ちょっと浮いていたり頑張ってる感があったりと、「アイドルらしいラップ」成分が他のメンバーよりも強めな印象はあります。それにしたって上手いし、格好いい所はバシッと決めているのですが。後、時期の違うライブとか観てみると成長っぷりが凄まじい。

今こそゴリっとしたテクニカルな面が強いですが、リリスクの前身のきっかけには「女の子の拙いラップって可愛いよね」という感覚があったそうで、hinakoさんに惹かれる人が多いらしいのも宜なるかな、ですね。

インタビューでも不思議な子だと語られたりしていますが、しっかり学業に励んで看護師の国家資格を持っていたりもするそうで、心身のタフさも相当だと思われます(身近の看護女子からはそんな印象を受けるので)

しかし、この笑顔はやはり胸に来る、推さずにはいられない。

……と、めでたく5人箱推しを自覚した模様です。ただやはりrisanoさんで刺さったという感覚が強い。

リリスクの楽曲について

メンバー紹介でかなりカロリー使いましたが、控えめにですが曲についても。

歌詞を題材(歌われている内容、ストーリー)と語り口(言葉のセレクトや配置の仕方)で分けて考えたとして。僕にとって日本語ラップの場合は、題材がどうであれ(ライミングの面白さがあるので)語り口は一定以上にポイントたまるんですよ。

RHYMESTERやAfro Parkerの場合は題材も好みなことが多いのですが、リリスクの場合、少なくとも現時点では、題材での刺さり方は少なめです。
けどライミングやサンプリング(既存の歌詞やモチーフの引用)はすごく面白いですし。メンバーのキャラクターに沿った作詞になっているのなら、メンバーを知っていくほど詞への愛着も募りそうです。

……という訳で。

「やばい、リリスクが頭から離れない」という感情のままに書き連ねてきました、まずは読んでくださったことに感謝を。

そのうえで、リリスクを知らなかった方、特に「あ、こういう成分は好き」と思った人は、是非。万人に刺さるかはともかく、もっと知名度があっていいはず!

そしてリリスクご存知だったという方、色々教えてくださると。

最後に購入報告、最新アルバム「BE KIND REWIND」はお迎えしてきました。初めて買ったアイドルのCDです、これから楽しみ。


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