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[創作大賞2022]秘境・霞が関のカオスな日常〜コロナで翻弄される日々〜

(今回の記事は創作大賞2022応募用に書いているものです。)

まずは自己紹介から始めます!他業種の医療業界から30代後半で霞が関の国家公務員に転職し、巷でいうザ・官僚!になりました。
最初は、気持ちは外の人間のままで、アウェーな気持ちでこの変わった日常をを眺めていました。

その中で、
なんだこりゃ!というよくわからない霞が関用語が飛び交う刺激的な毎日、「司法、立法、行政、三権分立ってこういうことなのね。あれ?ほんと分権してる?」と社会の仕組みを高校生の公民の授業のようなことが現実の目の前で繰り広げられれているようなアハ体験、
そして、中の人になるまで全く知らなかった、本当に霞の世界にいるような秘境に住む霞が関の官僚が、一人の働く人として、楽しんだり、悲しんだり、頑張ったり、疲れたり、愚痴ったりしているリアルな姿を同僚として見るにつれ、
「この霞が関で働く人たちの人間としての面白さをもっと知ってほしいな。社会の黒子としてこんな仕事をしているんだともっと知ってほしいな、そして、日本の国のこれからを意思決定して、世の中を回している政治や国会をもっと身近に感じて、国会もスポーツ観戦するように面白がってほしいな」という気持ちが高まってきて、2020年1月からこのブログを始めました。

ブログを始めた頃は、まさかコロナがもうすぐそこにやってくる、なんて思ってもいませんでした。そして、こんなに劇的に働き方も変わっていき、そしてコロナ対策に全ての人が翻弄される日々がやってくるなんて思ってもいませんでした。

ビフォーコロナの時代には、霞が関の人(官僚の事をこのブログではそう読んでいます)が翻弄されている辛い仕事、国会対応について書いたり、よくわからないオモシロ霞が関用語などを平和に書いていました。

そんなこんなして、2ヶ月くらいたった頃、まずやってきたのは、プリンセスダイアモンド号対応。いきなり、たくさんの霞が関の人が緊急対応で借り出されました。残された人たちは、その人たちの仕事を引き受けながら仕事を回す日々、借り出された人は毎日深夜まで残業三昧。

そして2020年4月、いきなりの緊急事態宣言。霞が関の人は色んな情報が先に来てるんじゃないか?と思われがちですが、まあ末端の一職員にはそんな重要情報は来ません。。オイオイまじか!みたいなことがいきなり起きて、(私がその時にいたのは、感染症関係とは違っていたのもあって)上の方から、「できる限りテレワークしなさい!」とお触れがきました。それまでテレワークをしたことはほぼなかったし、職場のパソコンはテレワークできる仕様になっていたけど、人によってはネット環境が家になかったりするし、てんやわんやでした。課内の人みんなと初めてLINEグループを作って、緊急時はこれで連絡を取り合おう、お互い元気で頑張ろうと、まるで疎開前の気持ちだったな…と思い出します。その頃はブログも何を書いていいのやら…という気持ちでしたが、ようやく緊急事態宣言が明けた6月頃、この時感じていることは日々がすぎると忘れてしまいそうなので、備忘録として書きました。


そして、2020年夏頃、霞が関は国会が終わると人事異動の時期です。コロナ本丸省庁に行くことになりました。

コロナ本丸の省庁はコロナ対応に沢山の人が必要だけど、急に人材が増えるわけではないので、色んな部署から人がかき集められ、色んな省庁から助っ人が借り出され、輪番制をとったりしながら、何とかかんとか人材ギリギリで回します。新人たちも、研修もほとんどなしにいきなりコロナ対応要員として働きます。そして、コロナ対応をする部屋も場所も足りないので、ほとんどの会議室がコロナ部屋として様変わりし、講堂も災害対策本部のような様相です。まさに、シンゴジラの立川基地のような物々しい雰囲気です。まさにカオス…!その頃の様子がこちら。(って今も同じ状況なんだけど…)

2020年4月のコロナが始まった頃のコロナ対応をしていた人から聞くカオスな日常は、守秘義務もあって詳しく話せませんが、平和な頃にやっていた基本デスクワークの仕事と違って、住民からの電話対応当番、マスクの検品、深夜の新規コロナ患者さん発生状況カウント作業、もうなんでもありだったようです。オーバーワークで倒れてしまう人も多々いたようです。

コロナ対応を直接しない課のお仕事は、コロナへの人出しで人員削減された中、少しずつコロナとともに生きる生活に合わせた仕事スタイルになってきました。いきなり誰がコロナになるかわからないので、私もいつでもテレワークできるように毎日パソコンを持って帰る日々です。ただ、コロナという劇薬?で変わったこともあり、昭和時代から続く頑なに上司に相談するときは対面で紙で相談という霞が関文化が、メールでいい、という劇的な変化をもたらしました。また、何かあればすぐに議員会館に呼びつけられ、長時間待たされた国会議員レク対応が少しずつ「オンラインで良い」という議員が増えてきて、霞が関の人にとっては、超仕事の効率化ができるようにもなったのです…!

そして、コロナに慣れてきた2021年秋頃に書いた記事がこちら。

そして、2022年1月のいま。今度はオミクロン株です。そして、国会がまた始まってしましまいました…
霞が関の人にとって国会対応はかなりの負荷になります。国会議員に質問されればされるほど、議員への説明や国会答弁の作成にフルコミットしないといけないので、日常業務が回りません… 今、まさにオミクロン株が流行っているので、国会でもビシビシ質問されるでしょう…
そうすると日常業務が回らなくて、コロナ対応が遅れてしまいます…皮肉なもんです。霞が関の人員に限りがあるので、国会対応が増えるほどに、日常業務にかけられる時間が減り、残る選択肢は、超長時間残業か、さらにコロナ担当課以外のところから人狩りをしてやっていくしかありません。とはいってもコロナ担当課以外は暇かってわけではなく、すでに人員減らしがあった中でやっていっている中、さらに人減らしになるので、どちらにとっても辛いところです。

たまに人事担当の課から
「今、そちらの課は仕事どんな感じ?コロナの国会対応をしてくれる助っ人を探していてね…」と電話がかかってきます。

「決して余裕があるとは思ってないけど、お互い辛いところだけど、人がいなくてね…」と言われちゃうと、とっても申し訳ない気持ちになります。

いきなり「明日からここにいってくれない?」と言われることも日常になってきました。急に明日誰がコロナになるかもわからないので、今求められているのは臨機応変能力と折れないココロ…なのかも。なかなかに消耗戦な日々です。

また平和な日々に戻れるよう、それでも良くなったところはそのままであってほしいな、と思います。そしてキャラ濃い霞が関の人たちの日常をこれからも観察して書いていきたいと思います!

私のこの今回の創作大賞2022に応募した一番の野望は、前にブログに書いたコレです!

野木亜紀子さんみたいなステキな脚本家が、霞が関の人の地味だけど泣いたり笑ったりのドラマチックなお仕事を楽しいドラマにしてくれないかなあ、と妄想します。
その時は、大臣はここはやはり小泉孝太郎さんで、事務次官は一筋縄ではいかない感じの古田新太、局長を松重豊、課長あたりをムロツヨシ(妻は石田ゆり子さんで!)、主人公の課長補佐を星野源、係長を千葉雄大、係員を伊藤沙莉、若手国会議員にキツメの性格の新垣結衣でお願いしたいですね!

どうぞよろしくお願いします!