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言葉遊びに脈絡はなく永久に続く羅列螺旋の先も見えず

息をしている
息をして
息をして、生きて

言葉だけで
その非物質の
鋸よりも残酷な
傷跡を残して

死にたくなる
消えたくて
消えたくて、生きて

なにかに救われ
あの恐ろしい
言葉も忘れ去れど
古傷だけ疼く

雨の降る日
ひどく寒い日
疲れ果てた日

死にたくなる
消えたくて
消えたくて

息をしている
息をして
息をして、生きて

これと共に生きていく
これの声は止まぬだろう
これはずっと側にいる
これは私を見捨てない

いつかどこかでヒナギクの
散る音がしたときのような
禁忌に触れたフラスコが
物を語り出したときのような

愛してる 愛してない 愛してる
繰り返し繰り返し唱えた唇
赤い頬 吸い付くような肌と肉
手渡した小瓶 罪と罰 決闘

息をしている
息をして
息をして、死んでいる

灰の中 埋ずもれて
復活は 望めない
それでもあなたは祈る
繰り返し繰り返し

目に見えない行為に
意味を求めない
ただ見えるものだけ
信じているの世界

傷ついて
傷つけて
傷ついたの、見える?

まだ見たくないの
醜い人間を
それは呪い
あなたを醜くする

野獣の見ないもの
花は散ると知りながら
既に答えも知りながら
あなたはなにを見ない

なにも見ない

嗚呼、あなたには
私が見えない
その言葉の
凶悪さも見えない

雨の日の駅で
畳んだ傘を降って歩く人のよう
少女は知らぬまま見ぬまま
母を殺した 兄を死なせた

失ったものを
失ってから嘆いて
この先失うべくして失うものを
更に更に失うおつもりのよう

おつむりのことばかりなのが
みこころの武装
武装は言葉を凶器にせしめ
何人にそれを向けた?

息をして
息をして
息をして、生きろ

消えたくて
死にたくて
生きたくて

息をしている

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