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詩「贈るなら雨音より晴天の虹を」

雨音よ
私の震える声を隠せ
差し伸べられるその手の主の
力強い足をも阻め
私を一人にするがいい
この悲しみは

私だけのものだ

その日の訪れを
望みはしなかったけれど
その日はただ訪れた

その善悪を天秤にかけるな
それがなかった歪みを生むから

この悲しみは誰かの怒りや
共感にさえ触れてはならない
誰かを行動させてはならない
私はただ悲しみたいだけだ

雨音よ
私の震える声を隠せ
差し伸べられるその手の主の
力強い足をも阻め
私を一人にするがいい
この悲しみは

私だけのものだ

大切なものだった
望みは続いていくこと
終わりはただ訪れた

なにかが心の水面を揺らした
正体は悲しみだと知っていた

間違いなどは誰もしていない
言祝ぐべきに重きを置くなら
代償だなどと言うは易いが
愛するものに呪いは望まない

雨音よ
いつかは太陽が来る
差し伸べられるその手の主の
力強い足音がしたら
私は笑って歩き出すから
喜びによせて

虹がかかるように


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