詩 みちづれ
みちづれ
古傷がずっと疼くように
心のうちに留まりつづける
高山の残雪のように
融けることなく
瞳の奥底に堆積したものが
太古の死骸の
圧し潰され石となるように
心に硬く床を敷く
重く足枷となったそれは
後戻りできぬと告げる
かくなる重荷を背負いて
私は何処へ行こう
旅は続く
古傷を抱えたまま
私は行く
自由に奔放には行けない
それでも行くべき処へ
過去の全てが今を今たらしめるのだと
それをも愛しいとあなたは言った
同じくあなたに返そう
ともに旅路を行くその手を取って
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?