プロ秘書だけが知っている永田町の秘密

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 この本を読むと、政治家が世間の批判を覚悟で会食やら何やら会に出席したがるかがよくわかる。
 要は、政治家は顔が命(吉徳人形か)なので、いかな時期や場所でも出向いて顔を売らないとならないのだそう。一生に一度とか理由を付けてでも、クラスターの危険性の高い成人式をやりたがるのも、その一例ではないかしら。
 あとは、議場で野次を飛ばし、上層部の覚えめでたくしたりもする。うちらの選挙区にもいましたね、野次将軍と呼ばれて大臣になった・・・が、すぐ平に戻った。
 そういう人しか政府幹部になれないというのも、政治の世界って貧弱。

 なおかつ、事が終わってから「思慮が足りず申し訳ございませんでした」とあやまれば済むと考えているところが問題。もっと言えば、そういう議員をまた当選させてしまう有権者が問題。


 とはいえ、著者(畠山 宏一)は議員の苦労も訴えている。彼らに家庭はない。ほとんど年中永田町生活だ。妻は議員代理として家庭そっちのけで選挙区を走り回り、子供の世話など疎かになるため、まもとな二世議員が誕生することのほうが稀だと言う。妻より著者のような秘書の方が本人をよく知っているとか。


 政治家になるハードルを下げたせいか、でもしか政治家(昔は、でもしか先生、つまり、先生でもやるか、先生しかなれない)が増えて、なおかつ古参の政治家と疎通がとれない人が多くなり、溝が深まっているそうな。
 特に問題なのは役人上がりの政治家で、実際には役人としての出世競争に負けた者が政治家になりがちで、そのくせ、やたらと威張り散らし、自信過剰な人が多いらしく、内閣府大臣政務官・文部科学大臣政務官・復興大臣政務官(第3次安倍第1次改造内閣)などを歴任した元厚生労働官僚のエリートだった豊田真由子を例に、夜遅くまで議員宿舎で書き物をしては秘書連中を困らせ、叱咤していたが、結局何も成果なく、次の選挙では落選、普通の人に戻ってしまった。官僚には戻れない。


 まあ、議員も大変だけど、日本の未来を作る信念を持った政治家を有権者として選びたいものですね。

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