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朝食を摂らない人が4割もいる!?

 広報「さっぽろ」5月号をめくっていたら、面白い表現にぶつかった。「延びらさる!「健康寿命」。 そうか、そういう言い方があっても、いいんじゃないの。
 最近は北海道弁がなにかと話題になっているようで、先般も地下鉄の電車内で「食べらさる」という表現の広告文で目にして、うんうんとうなずいたものだ。 だから「延びらさる」ってのも、いいんじゃないの。
 「食べらさる」 にはもともと深い意味があった。 北海道生まれの筆者は少年の頃、 食糧難時代にぶつかり、食べるものが少ないのに、食べらさって食べらさって、それが当然と思って生きてきた。
 つまり朝、目が覚めると、空腹で起き上がれない。 やっと起きて母の作った飯を食べるそのあまりの美味しさに、いくら食べても手が出てしまう。「これでお終い」 と自らに言い聞かせて、「お替わり」 するのが日常茶飯事だった。
 この感覚の合わなさは、いまや遠い日の思い出になってしまったが、頭の中と腹の中という二つの相容れないぶつかり合いに悩み、 ジレンマに陥りながら自然に手が延びて「食べらさる」という経験をしたわが身としては、 これは子どもの頃から思春期にかけて襲う 「限定期間付きジレンマ」なのだと思っている。
 「延びらさる」には、「食べらさる」を越えた、物凄い響きが含まれている、と私は感じている。 食べらさるは所詮、食べらさって食べらさって満腹になりダウン、と先が見えているが、延びらさる、には制限がない果てしなさが感じられてならない。
 ところでこの広報誌によると「札幌市民の食生活」 はひどいものだという。なんと朝食に関する調査では、「毎日は食べない」が18%。中でも三〇代は41.5%にものぼっている。しかも働く世代を中心に野菜摂取量が平均284グラムで、目標量の350グラムに比べて約70グラムも不足しているというのだ。
 その反面、塩分の一日摂取量の目安は男性7.5グラム、女性6.5グラムなのに、平均9.5グラムにものぼり、ことに七〇代は10.1グラムと高いという。これは明らかに危険数値といえそうだ。
 この際、伸びらさる健康寿命を維持するうえからも、食生活の改善の重要制を述べ、目標を掲げ①野菜を食べること②朝食を食べること③減塩の三点を呼びかけている。
 延びらさる健康寿命、でも死なさらぬ病身寿命という一面もあるのをお忘れなく。

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