見出し画像

「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾~迫りくる反日包囲網の正体を暴く~」

 江崎道朗先生著「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾~迫りくる反日包囲網の正体を暴く~」を読了。
(※本書は平成24年12月に発行された本です)

 赤いカバーとソ連共産党を象徴する「槌と鎌」のシンボルに、ルーズヴェルトの写真が目を引きつける刺激的ともいえる本書。

 冒頭の<はじめに>でいきなり触れられているのが、「反日」「靖國神社」についてで、世界には200近くの国家が存在しているが、いわゆる反日国家は中国共産党・韓国・北朝鮮の3ヶ国のみであり、総理大臣の靖國参拝に限って言えば、批判しているのは中国と韓国だけである(北朝鮮はさほど批判していない)、と書かれています。

 しかしテレビや新聞、インターネットの情報に触れると、あたかも日本が国際的に非難を受けているような印象を私たちは受けがちです。
 例えば毎年8月15日が近づいてくるとメディアは、「靖國参拝は行くのか?」と時の首相に問いただすし、当日に閣僚が参拝すれば大騒ぎします。
 その時必ず出てくるのが「他国への配慮としてどうなのか?」だとか「軍国主義を賛美している」だの「国際社会から孤立する」という野党議員の声やメディアの報道です。
 そしてこの日本国内の動きに連動して、必ず中国や韓国が何かしらの声明を出して圧力をかけてきます。

 こうやって一部の日本人や中国と韓国が日本のことをしきりに非難する。
 同盟国であるアメリカ国内でも、日本の行為に対して批判的な声が上がると、メディアはそれをこぞって報道し、日本がアメリカを怒らせたかのような論調で報じ、国民を不安視させる。
 中国や韓国が批判するのはお馴染みの行為だとしても、同盟国アメリカを怒らせたとは、それは日本の国益に反するのではないか?とさえ思ってしまいそうです。
 では中国や韓国だけでなく、アメリカまでもが日本を批判することがあるのはいったいなぜなのか?
 それを紐解くには国際的な反日運動の構築の実態を知る必要があり、本書第一章ではそのことについて詳しく書かれています。

 

日本の過去の清算を求める国際連帯協議会


 アメリカ国内で湧き上がる日本に対する批判の声は、「華僑」が深くかかわっており、それについて日本のメディアは一切報じませんが、彼らがアメリカ国内で行っている反日キャンペーンの実態についても詳しく書かれており、その実態を知れば、彼らが日米分断を煽っていることが非常によくわかります。

 私たちは日常的に事あるごとに「先の大戦」についての日本の行為を中国や韓国はおろか、日本のメディアなどにしきりに非難され、その報道に触れるたびにまるで国際的に非難されているかのような印象を持ってしまいがちです。

 しかし国際的な反日ネットワークばかりではありません。いわゆる東京裁判史観に批判的な、親日ネットワークも存在しています。
 親日的な国々に共通するのは、欧米からの解放・独立に日本が果たした大きな役割と、迫りくる共産主義(全体主義)の脅威があげられます。
 
 このことについて詳しく書かれているのが第二章になります。

 とくにインドネシアのくだりや、ASEAN創設に至る経緯に、民間人が政府特使として深くかかわっていたところは必読です。
 迫りくる共産主義に対抗するべく創設されたASEANに、日本が深く関わっていたことは深く感銘を受けました。

 インドネシアのユドヨノ元大統領は在任当時、日本の首相が靖國参拝することは当然のことだと主張し、憲法改正についても賛成だ、と公式に発言したことがあるように、主に日本のメディアが報じる自国に対する批判的な報道に対して、私たちは惑わされることがないようにしたいものですね。
 
 ASEANの件は産経新聞12月9日の記事でも少しですが触れられています。

 
 ユドヨノ大統領の記事はこちらを。


 江崎先生の著書はおそらく単独で出されたものは本書をもってすべて拝読したと思いますが、先生の著書でたびたび出てくるのが、アメリカ草の根保守運動のリーダーである、シュラーフリー女史。そしてなんといっても代表的なのが「ヴェノナ文書」。
 第三章では、このシュラーフリー女史に取材された内容や、戦前の日本外務省の機密文書、ヴェノナ文書、ソ連崩壊後にロシアが公開した機密文書などに基づきながら、戦前のアメリカ(反日派)の動きや、戦後のアメリカで起こった東京裁判史観の見直しの動きなどについて詳しく書かれています。
 

1938年(昭和13年)当時のアメリカ反日ネットワーク

 

アメリカ共産党のトロイの木馬作戦(内部穿孔工作)の実態

 また、「日本国憲法」の策定の経緯も第三章の最後に書かれていますが、GHQやコミンテルンによって、日本弱体化と、「天皇制」(共産党言葉)を潰すための憲法草案に対し、日本政府がいかにして戦ったのかについても詳しく理解できます。

 ちなみに本書とは関係がありませんが、共産党を始めとした左翼が「天皇制」と呼称しているのは、「天皇」が「制度化」されたものであることを印象付けるための工作なんですよね。
 だからこそ、本書第三章の日本国憲法作成の経緯を知ると、コミンテルンが日本の国体を破壊し、共産主義政権を樹立させるための運動が今もなお現在進行形で続いている、ということも理解できるのではないでしょうか。


 本書冒頭の<はじめに>で触れられた「靖國神社」。
 日本の首相や閣僚が参拝することに対して反対しているのは中国・韓国・一部の米国人(主に華僑)だけに過ぎないのですが、戦後に起こった靖國における戦いの実態について、最終章である第四章で詳しく書かれています。
 GHQが日本政府に命じて発布された「神道指令」は、効力を失われている、そのことは国会でも確認されました。

 
 第169回国会 参議院 文教科学委員会 第3号 平成20年3月27日 P15

 自民党の衛藤晟一議員による、海渡文科大臣への質疑応答によって、学校教育の一環として、児童や学生らが「靖國神社」や「護国神社」を訪問することについて、文化的な意味合いであれば何ら問題がないことが確認されたわけです。

 また、平沼赳夫議員によっても、平成20年5月14日提出の「学校行事として靖国神社・護国神社訪問を禁じた文部事務次官通達に関する質問主意書」が出され、これについて文科省より、学校行事として靖國神社や護国神社へ訪問することは問題がない、とする回答が出されるとともに、神道指令はサンフランシスコ講和条約をもって効力が無くなった、と確認されました。


 国際的な反日ネットワークの存在は、漠然と予想はしていたものの、本書によってそれを詳しく知ることができました。
 そして反日ネットワークに対して、親日ネットワークの存在とその構図も知ることができ、歴史の事実や現在の親日・反日の構図、中国を中心とした反日ロビー活動の実態などをしっかり押さえておくことで、私たちが現在進行形の共産主義革命運動に対してこれからどうしていくべきか、日本の国体を守っていくためにはどうすべきか、ということについて、理解を深める一助にもなるのではないでしょうか。


 ちなみに公共財団法人国家基本問題研究所でも、国際的な反日ネットワークについて大まかに書いてあります。


 最後までお読みくださり、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?