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エッセイ

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さまよえるエッセイ『INTO THE WILD』

たまに本を読んでいると、気になる言葉に出会うことがある。 「荒野をめざす」とか「荒野をさ…

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動線オリンピック

我々はなぜこんなにも動線を意識してしまうのだろうかと時々思う。 目の前にいる相手が誰かの…

市井シセイ
2か月前
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限りなくTSUTAYAのレンタル袋に近いブルー

それは海水浴の夢ではなかった。 海を思わせるTSUTAYAの青いレンタル袋を手にして呆然とするだ…

市井シセイ
11か月前
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半過去と半未来の住人たち

誰かが夢や理想を語るとき、それに反対する人は決まって「いや、でも現実的にはさ」と、相手の…

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生きづらくはない地方都市で、イオンモールは永遠を謳う

イオンモールに初めて足を踏み入れた日のことを覚えている人はどれほどいるのだろう? それが…

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僕らがコンビニのコーヒーを飲む理由

 小春日和の暖かな風が季節の訪れとともに花粉までもを運んできて、道行く人のその顔から笑顔…

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He’s Just a Friend

「友達を取られた」中学の同級生からそう言われたことがあった。 面と向かって言われたわけではない。しかも、それを聞いたのは高校に入ってからで、別の同級生から「K(友達の名前)を取られたって言ってたよ」と人づてに聞いたのだった。 「取られた……?」意味がよくわからなかった。直接聞いたわけではないからニュアンスはわからないが、「取られた」というよりは「盗られた」とでも言いたげな言葉のトゲに、思い当たるふしもなくただモヤモヤするばかりだった。 確かにKは中学のとき親しくした友人で

必然化する偶然世界

占いの類いをなるべく避けるようにしてこれまで生きてきた。 といっても、別に占いや風水など…

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不確かな時代の確かな笑い

おそらく今までの人生で一度だけ、朝、大爆笑しながら目覚めたことがある。 もう何年も前のこ…

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東京新聞に捧げるエッセイ『檸檬の行方』

歳を取ったせいだろうか。ふと頭に浮かんだ考えがなかなか消えてはくれない。 えたいの知れな…

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