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恋と臨場感(3/12読書会の報告です)

お待たせしました。3/12の読書会の報告です。

既にTwitterでいくつかシェアしているので、まずはそちらの紹介から。

会は墨田区曳舟のスパイスバル猫六(東京百名店)の芳谷マスターのご厚意・ご尽力によって開催されました。感謝しております。この日も究極の3点盛りカレーが食べ放題で提供され、前菜と併せてスパイス料理を堪能していただきました。

会は平本グループ、片山グループの二つに分かれて『つながる』『生きる哲学としてのセックス』の順にトークセッション(途中、担当入れ替え)。
俺は両グループの話を交互に聞きながら、タイムキーパーをやってました。5時開始で8時過ぎまでのロング開催でしたが、ふたりの代々木組体験や男優経験からのトークには重み・深みがありました。これは紹介が難しいですね。読書会という場での言葉は参加者でなくては感じられないメッセージのやりとりだったと思います。俺のnoteではフォローしきれません。このへんがライブイベントの醍醐味ですね。

俺もふたりの話をずっと聞いていたわけではないので、内容についても不明です。ただひとつ、片山が「男優として代々木さんに癒された」というような趣旨のトークがあったようで、これについては昨夜ツイートしました。

代々木組は女優を癒したり成長させる、というのは定説ですが、実は男優も同じ。覚醒した男優が大勢います。詳しくはイベント等で各自の話を聞いて欲しいですが、このあたりは縁のモンダイでもあります。それと代々木組で出なくても覚醒したベテラン男優はいます。その過程に代々木組体験が加わったかどうかは覚醒の条件ではなく、代々木さんとの縁の有無です。このへんは誤解されませんように。

というわけで、俺は『つながる』『生きる哲学としてのセックス』についてほとんど話をしなかったのですが、途中四人テーブルのグループにひとつだけ話しました。これはもう一つのグループの方には話してませんので、まずそれをシェアします。

『つながる』の文庫版のP.71~72の部分です。電子書籍や単行本ではページ数が違いますが「第1章 満たされない女たち」の「2 女たちの自己否定」の末尾の部分です。柏木みなの『ザッツ回春エロエステ』シリーズが彼女の引退により終了してしまった件についての記述です。引用します。

「監督としての私は、成長した彼女だったら今後いろいろなことができるなぁと思っていた矢先だっただけに残念で仕方がない。でも、まぁ一人の女の子が幸せをつかんだのだと思えば、そう言ってもいられない。彼女に代わる新たな逸材を探すしかないだろう。彼女のようになれない女の子は、まだまふぁたくさんいるのだから………。」

ここに俺は代々木さんの柏木みなに対する恋慕の情と小さくない喪失感を読んでしまいます。これは「女優のセックスを撮る」という特殊な職種をやった人間、あるいは業界人ならわかると思いますが、力のある女優は男優はもちろん、監督も虜にしてしまうものです。特に代々木組の主力級女優は歴代猛者揃いですし、シリーズができるとなると、南智子、渡辺美乃クラスですから、代々木さんも柏木みなに惹かれるところは多かったと思います。

「彼女自身の精神性が上がり、人間として成長したことによって、別れられなかったEDの彼ともごく自然な形で縁が切れ、心から愛する人に出会った」ことが終了の理由です。代々木組での覚醒で人生の次のステップに進むことになったのです。これもまた代々木組の王道パターンで、「代々木組あるある」です。イイ女になり過ぎて、カラミでヒイヒイ喜んでる男優を見て「クソッ」という代々木さんのつぶやきはたまに聞こえましたから。

そして柏木みなへの喪失感は彼女の未来への応援と自身への鼓舞に転化します。文面にあるように彼女の次の人生へのエールと新たな逸材との出会いですね。

俺もエロ奥さんシリーズでは午前中に会って、カラミで惚れて、夕方別れるの繰り返しで全国を回りました。そのあたりは東スポの人妻マンダラや電子書籍シリーズに書きましたが、監督業と恋という視点で代々木さんの本を読むのも面白いと思います。

もうひとつ、これは読書会でも話す機会がありませんでしたが、グルジェフの表について。こちらは『つながる』にも載ってますが、『生きる哲学としてのセックス』P.185にさらに詳しく載っています。
この表については森くんが得意ネタとしてよく解説していましたので、イベントで聞いた方もおられるはずです。
ポイントは「本能・感情・思考」、この3つのバランスです。
俺はP.233でこの3つを「見事なバランスで兼ね備えた男」と書かれていますが、読んだ時に「マジですか!」と思いました。全く無自覚でしたが、代々木さんの書いた文章にこれまでウソ・偽りを見つけたことがないので、おそらくこの指摘は正しいのだと理解しています。
俺は男優時代は現場でキレてばかりいました。編集者時代も編集長クラスを怒鳴ってました。面接シリーズでも大暴れしているシーンが多々あります。

現場で意識していることはひとつだけ、「臨場感」です。
その場のリアル感。
俺が出てくれば現場が引き締まる。俺がしゃべれば場が動く。
そういうライブの場作りへの意識です。
面接シリーズの大暴れもそのひとつと言えば許されるでしょうか。

場をできるだけ自分のリアル感に近づけることで「臨場感」を獲得します。
文章でも同じです。文章に自分のリアル感があるかどうかです。人妻マンダラの読者はそのへんを楽しんでいるはずです。
「臨場感」を獲得するために「本能・感情・思考」のバランスをうまく取っている、と言い換えれば、さきほどの代々木さんの文章も心からうなづけます。俺は「臨場感」ベースでグルジェフの表を眺めているということでしょうか。
グルジェフの表については親しみにくい面もあるかもしれませんが、自身の「本能・感情・思考」のバランスを考えてみてください。俺みたいに外から別の尺度を持ってきて3つを捉え直す方法もあります。

もうひとつ、代々木さんの本で呼吸法の部分(『つながる』第3章の2の「呼吸法がもたらす効果」)もなかなか実践が難しいのですが、こちらはSAWAKO先生というヨガの専門家が詳しいので、今後体験イベントも開催される予定です。先生は3/26の『人生を変えるセックス』のシェア会も手伝っていただきます。

既に2000字を超え、長々と書いてきましたが、3/12の読書会の報告はこのあたりで〆させていただきます。引き続き3/26のシェア会もまだ募集しておりますので、TwitterのDMかサロンのLINEでお問い合わせください。今回のnoteについての感想等も大歓迎です。

今回の読書会はこちらが一方的に話す形式のイベントではなく、お互いが身近に話し合うスタイルがやりたくて、1月から延期し、コロナの鎮静を待ちました。その成果はあったように感じますし、マスターはこんなツイートをしています。

過去最高の雰囲気」というのは、進行でバタバタしている俺よりもカウンターから覗き見るマスターの方が把握しやすかったのでしょう。参加者が話す場、言葉のやり取りをする場を作ることをテーマにした今回の読書会で達成できたことは少なくありません。マスターの言う「交流」は今後も種となって芽を出していくはずです。その起点、ベースに代々木さんの著作があり、そこから学んだことを膨らませていく作業。既にその展開のいくつかも感じ始めています。参加者の皆様、マスターと猫六スタッフ、アニキ、片山に改めてお礼を言いたいです。ありがとう。そして、この会を前に「取り上げて頂けることを素直に感謝しております」という激励LINEを送られた代々木さんにも「無事終わりました」とご報告致します。みんな、3冊の本を持って猫六に駆けつけてくれましたよ。
それでは最後に当日の猫六のマスター渾身のカレーをご覧いただきます。他店では味わうことのできない桃源郷カレーです。

最後までこのnoteをお読みいただきありがとうございました。
代々木さんの著作の読書のヒントになれば幸いです。



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