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能を観に行くこと

来月、久しぶりに能を観に行きます。能楽堂という場所は日常空間とは別空間なので、中にいるだけで洗浄される感覚があります。

この室町時代にできた芸能は結構敷居が高いようで、初心者同伴で見に行くと「よくわからなかった」「眠たい」「退屈」と、大体そんな感じです。

現代演劇や歌舞伎を見るのと同じ感覚で臨むせいもあるのですが、能の場合、物語の展開を追うのではなく、感情表現を味わうことに専念した方がいいタイプの芸能です。

何が起こったかというより、何が伝わってくるかという気持ちのやりとり。もっと具体的に言えば、「舞」を見てどんな感情が伝わってくるか、その部分への共感、感動が大事です。

「舞」は凝縮された感情表現であり、その表出への共感には想像力や妄想力も必要です。俺のnoteを読まれる方には得意な分野と思います。

能の演目(神・男・女・狂・鬼の5つあります)や能舞台の独特な構造(橋掛かりや鏡板、目付柱など)、あるいは、シテ方の流派、ワキ・狂言・囃子方(笛・大鼓・小鼓・太鼓)の舞台上の演者の役割、能の構造(前場・間狂言・後場)など、基本的な知識はネットでも学べます。

「舞」は能の後半(後場・のちば)にあることが多いです。つまり、見せ場は後半にあります。

俺も昔、能が始まると最初から気合を入れて見ていましたが、主役であるシテが舞を舞うまで、相当長い道のりがあります。見せ場前に息切れしてしまい、肝心の舞の場面で爆睡という失敗もありました。そういう意味では「最初は気合を入れて見ない」というペース配分も有効です。

舞を味わえたかどうかというのは、早い話、チャネリングなんです。これも代々木ファンなら得意分野と思います。

能舞台の橋掛かり(花道みたいな部分です)を「産道」と言ったのは三木成夫ですが、三木成夫の胎児の本は代々木さんのブログでも出てきました。

週刊代々木忠とも関連深いわけです。

俺は大学を出てから3年ほど養成機関で学びましたが、その聞きかじった程度の経験が能を見る上では非常に役立っています。

①見せ場は後半戦、最初から気合を入れて見ないこと
②舞から何が伝わってくるか、その感情表現を味わうこと

このふたつを俺流として初心者の方にオススメします。

(下の記事につづきます)




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