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サクラサク、サクラチル 辻堂ゆめ


あらすじ

高校3年生の染野高志は、東京大学に入るために毎日、親の決めたスケジュールに従って勉強していた。そんな、高志にあるときクラスメートの星が声を掛けてきた。星は高志の状態は「虐待」にあたるという。星自身も星人に依存している母と暮らしている。二人は、お互いの境遇に共感しながらある計画を立てる…。


ここからネタバレ含む感想

一人は勉強の強制という「虐待」、もう一人はネグレストという「虐待」、どちらも内容は違うが虐待されている高校生同士お互いに共感して、さらにそこから脱するための協力関係になっていくという高校3年生二人の話で、どちらも、今の社会で実際に存在していそうな高校3年生の姿を描いている。
辻堂さんの小説はある種の社会派小説が多いですがこの話も高校3年という将来を考える時期の二人が、それぞれの家族の様子の違和感をお互いにしてきて自立していく物語になっていました。内容は重いですが、高校生が自分たちで現在の状況を認識し、そこから抜け出すための計画を立ててそれを実行し実際に親からの自立を図ります。重い部分もありますが、読了感はいいです。人生のどの時期に読むかで感想も違ってくる物語なのかなと思いました。高校生で読んで、今もう一度読むとまた違った感想を持つかもしれないと思いました。

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