猫弁　大山淳子

あらすじ

弁護士の百瀬太郎は、ある事件をきっかけとして猫弁と呼ばれるようになり主に猫に関する依頼を多く受けるようになっている。弁護士としてのキャリアスタートでは大規模な弁護士事務所に勤めていたが今は個人で弁護士事務所を開いている。自分の事務所には、依頼主が飼うことを放棄したり、居場所がなくなって引き取った猫がいっぱいいる。そんな百瀬の元に、霊柩車ごと遺体が盗まれたという依頼がくるが…。

ここからネタバレ含む感想

東大卒、弁護士としてはとても優秀だが、お人好しの性格なので来る依頼はあまりお金にならないものばかりの百瀬の物語です。盗まれた霊柩車、動物の飼育不可のマンションに住む住人からの猫に関する依頼、靴磨きの老婆、その合間にするお見合いは30連敗中というなか読み進めるとバラバラだった事件が収束していく。
ジャンルとしては日常の謎系のミステリーとなるのかな。猫猫猫なので猫好きの方にはおすすめの物語です。また、本の表紙に「天才」と書いてあるように百瀬は天才のようで、依頼を受けて状況を把握できればほぼ正解を導き出せるようです。ミステリーとしては、助手なしの探偵のみの構成なのですが実際には、助手の役割も百瀬自身が務めているので探偵+助手の役割を一人でこなしているという点では、特徴のある物語かもしれません。
大山さん、この作品が受賞作＆デビュー作のようですが、新人とは思えないくらいキャラクターがしっかりしていて、話の構成も隅々までよくできているなと思いました。
シリーズで出ているようなので順番に読んでいきたいっです。