ふたつめの庭　大崎梢

あらすじ

美南はかえで保育園に保育士として勤めている。保育園に通う子どもたち、保護者、卒園児…、かえで保育園の周りで起こる様々な小さな事件に巻き込まれ時には、自分で進んで引き受ける…美南。

ネタバレ含む感想

語り手、美南は20代後半の中堅保育士、日常の謎的な事件に巻き込まれること多数。保育園という場所は、子ども目線では、日常生活を安心して過ごす場所であるけれど、父子家庭、母子家庭、離婚間際…のようなシュールな話もたくさん転がっている…。それでも語り手の人柄と解決は前向きなのでそれほど深刻な内容にはなっていないところが読みやすかったです。
話の中心になっている人物の一人が父子家庭の旬太の父、隆平で離婚後息子を引き取り、結構やり手の会社員だったようですが、部署をお迎え時間に間に合うような（おそらく窓際部署）に移動し、一人で子育て中。そんな隆平の恋愛話が話の横軸になっているのかなと思いました。これが、押しの強いシングルママに言い寄られたり、でも自分は気になる人にスローにアピールしているように感じるんだけど、当の本人はなかなか気が付かない…という展開なのでちょっと変わった恋愛小説でもいいのかなと思いました。