真夜中のマリオネット　知念実希人

あらすじ

救急医の小松秋穂は、深夜に運び込まれた少年を救命した。しかし、少年と一緒に現れた男は美濃部と名乗り、その少年が連続殺人犯の「真夜中の解体魔」だと告げる。
意識を取り戻した少年、石田涼介は自分は誰かに嵌められたと告げ、秋穂に無実の罪を払拭する助けをしてほしいと頼むが…。

ここからネタバレ含む感想

秋穂自身も婚約者を「真夜中の解体魔」に殺された被害者だった。警察の話を聞いて、彼の仇を打つつもりで病室に乗り込んだが、涼介から無実だと聞かされて、彼を信じきれないものの彼の情報をもとに「真夜中の断末魔」を独自に探し始める。
涼介の話をもとに調査をすると確かに、最後に殺された涼介の元恋人の事件で涼介はアリバイがあるようだった。涼介に気を許し始める秋穂は涼介を警察病院に転院させないように偽装に手を貸す。
途中までは、涼介のアリバイをさがして無実を確認する。それから、真犯人を探し出すという流れだったのが、途中から逃走劇となり、真犯人との対峙となり、事件解決へ向かうのですが…。
最後のドンデン返しがなぁ～、いやー、本当の真相がそこで浮かび上がってくるのですが…、なかなか後味の悪いラストでした…。「あなたのための誘拐」（文庫本版は「誘拐遊戯」）に匹敵するくらいの後味の悪さが残っています…。