魔法飛行 加納朋子

駒子シリーズの第2弾。駒子は妹尾さんに物語を書くことを勧められますがいきなりは難しいと身近で起こった出来事を近況報告として書くことから始めることにしました。


ここから、ネタバレ含む感想

前作「ななつのこ」で知り合った妹尾さんに勧められるままに近況報告のような物語を書いている駒子。3話プラス1話の4話構成になっています。
日常的に不思議なことに出会う駒子、1話目では複数の名前がある女子学生に出会います。しかも、この女子学生は駒子にあまり良い感情を持っていないような…。2話目は交通事故で無くなった少年の絵の話、3話目が駒子の短大の学園祭の話。それぞれ、駒子が物語形式で書いたものに妹尾さんが答えのような感想文を送ってくるのですが、物語の最後に差出人不明の手紙が登場します。新手のファンか…と思ったのですがこの手紙が4話へ続いてい行きます。
ふぉんわかと毎日暮らしている駒子の日常ですが、その周りで起きている不思議な話は少し不幸そうな人多めの構成で、女子大生のように能天気に過ごせない女性、子どもを亡くした画家が登場します。3話は少しのんびりした子どもたちのお話と同級生の恋愛話なのでのほほんとしているかなと思いますが4話のお話は、遺書のような手紙を受け取った駒子がそれを阻止するべく手紙の主を捜すお話で、自殺は止められるのですが、この中に出てくる妹尾さんの生活ぶりが今でいうミニマリストのような生活ぶりで何故か他の人と距離をとっているように感じされました。妹尾さん、前作でお姉さんを亡くしていることがわかっているのですがまだなにか深い傷でも抱えているのかなと思いました。この傷を少しずつ癒しているのが駒子かな…とおもいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?