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始まりの木 夏川草介


あらすじ

東々大学の大学院に在籍する藤崎千佳の専攻は民俗学である。偏屈な民俗学者である古屋神寺郎との出会いが、千佳が民俗学に進む決断をした理由の一つだった。古屋にくっついて日本中を旅する。旅に出るときは、「藤崎、旅の準備をしたまえ」と千佳に言う。

ここからネタバレ含む感想

今回は、病院モノではなくて大学研究室、しかもかなりマイナーと言われそうな民俗学の研究室のお話です。
大学院生の千佳は、古屋にくっついて日本全国旅をすることが多い。物語の中では、青森、京都、高知、長野、東京の各地を巡る旅の様子が描かれています。古屋准教授は、偏屈で学内や学会内にも敵が多く隙をついていろいろなトラブルに見舞われますが、理解ある周りの学者たちの助けもあり辛うじて現状を維持できているような人物です。しかし、古屋にはかつて事故で同じ学者だった妻を亡くし、その妻の分も研究にのめり込んでいるようにも感じました。
物語の中には、時折巨木が登場し、この巨木がその地域にとって深い意味を持っていることが古屋の口から語られます。
物語の中に出てくる遠野物語も読んでみたくなる。そんな作品です。
まだ、古屋准教授の周りには一波乱ありそうな状況で物語は終わりますが続編があればぜひ読んでみたいです。

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