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絞首商會 夕木春央

あらすじ

大正時代、東京。村山鼓堂博士の遺体が見つかった。村山博士は、血液の研究をしており警察の鑑識にもその手法が使われ始めていた。
そして、容疑者は4人、村山博士の遠縁にあたる水上淑子、近所に住んでいて村山邸をを立てた今は亡き、村山梶太郎と懇意にしていた白城宗矩と生島泰治、鼓堂と懇意にしていた宇津木英夫。
鼓堂博士は秘密結社「絞首商會」を警察に告発する準備をしていたということが判明する。水上婦人の依頼で元泥棒の蓮野が事件について調査することになったが…。


ここからネタバレ含む感想

元泥棒の蓮野は、かつて村上邸にも侵入していた。その蓮野が水上婦人の依頼でこの事件を秘密裏に調査することになる。助手は、蓮野の友人の画家の井口で泥棒で逮捕された蓮野をあれこれ手助けしている人物である。
井口の妻の姪が事件に巻き込まれたり、蓮野が襲撃されたりといろいろなことが起こるが、蓮野の依頼で井口があちらこちらに調査に回ってやがて真相が浮かび上がってくるが…。
と、いかにも大正らしい(?)空気感のある物語で、ドラマにすると意外に面白いのではないかなぁ~と読んでいて思いました。
秘密結社「絞首商會」と最初から出てくるので何か組織的な犯罪か…と思わせて実は真相は別にある…というパターンでしたが、なかなか仕込みが細かいです。意外なところから犯人につながります。最後の蓮野の解決編で全く違う方向へ話が進むのでその辺りがお楽しみかなと思います。
ただ、物語が長いので時間のある時にじっくり読むのがお勧めです。
この探偵役の蓮野は他にもいろいろな事件を解決している人物らしいので他の事件の物語もシリーズとして出てくると面白いのかなと思いました。

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