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花咲家の人々 村山早紀

カフェ併設の花屋「千草苑」を営む花咲家は代々植物と一緒に暮らしてきた。そんな、一族の不思議な力が生み出す心温まるお話です。

1.花咲家の人々

父親の草太郎、長女の茉莉亜、次女のりら子、末っ子の桂、そして、祖父の木太郎が織りなす家族のお話。10年前に風邪をこじらせて亡くなってしまった母への思いを中心に家族それぞれが抱える葛藤が優しい語りで紡がれています。花咲家の紹介のようなお話です。

2.花咲家の休日

草太郎さんの小学生時代のお話、桂の友人たちとの日本狼捜し、りら子と死神の思い出話、飼い猫小雪の話、茉莉亜に娘の姿を重ねる老人のお話、村山さんらしいお話が詰まっています。今回は、ファンタジー色が強いお話が多くて別世界や未来などなど登場します。個人的には、最後のお話が切なかったなぁ…と思います。

3.花咲家の旅

今回は旅にまつわるお話。お店の冷蔵庫を修理するために2週間お店をお休みすることになった木太郎が新婚旅行へ行った九州へ旅するお話、運送トラックに落ちた小雪が体験した旅、草太郎の昔の旅のお話、りら子が会いに行った親戚のお話、茉莉亜が気になったうたの上手は女の子のお話、桂が遭遇した空港での事件です。1作目から比べていくと桂の成長ぶりが目につきました。そして、一番迷いのなかったりら子が受験に失敗したのを機に自分探しの迷宮に入っているようですが、次作で立ち直るのかな…。親戚のお話がなんとも悲しかったです。

4.花咲家の怪

怪???と思ったら、ちょっとゾワッとする感じのお話でした。
第3話の火車は、本当にやりきれないようなお話でした。一人の老人の抱える心の悲しみが深くてなんとも言えない気持ちになりました。
第4話の約束は、少し怖くもありますがなんとなくホッコリします。有城さんの登場するお話なのですが、山あり谷ありの人生を送りながらも優しい心を持っているなぁ…といつも暖かい気持ちになります。

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