この嘘がばれないうちに　川口俊和

あらすじ

コーヒーが冷めないうちにシリーズ２です。
今回は、親友、親子、恋人、夫婦それぞれ、心残りや伝えたいことを伝えるためにこの店を訪れた人々のお話です。
剛太郎は22年前に戻るために「フニクリフニクラ」を訪れた。22年前、どん底にいた剛太郎を見つけこの喫茶店に連れてきてくれた親友の秀一に会うためだった。秀一に剛太郎はあることを伝えたいと思っていた。

ここからネタバレ含む感想

前作と同じく、過去に戻りたい人がこの店を訪れる。そして、サイドストーリーとして、時間を移動するためのコーヒーを入れる人のルールも示し、前作から少し陰りのある数の真相も明らかになる。
亡くなった親友に娘のことを話す男性、母の葬儀に出られなかった息子、結婚できず亡くなってしまった恋人、妻にプレゼントを渡したい老刑事、1話1話悲しいけれど、ホッとするようなひと時を感じされました。
個人的には、最後のお話の老刑事さん、この喫茶店のことを調べ上げているところがすごい職業病だなと思いました。典型的な不器用な男性だったのですが、悩んでいた数への救いも一緒に運んでくれる役割も担っていて、数の人生もここから新たに動き出すのかなと感じられる最後でした。