死神と天使の円舞曲 知念実希人
あらすじ
死神シリーズの第3弾。
ネコのクロは、実は人間の世界では、死神とか天使とか呼ばれる霊的存在で、地上の人間が死ぬときに未練を残して地縛霊にならないようにするという役割を担っている。
クロの暮らす街で、人魂が出現するというニュースを目にしたクロはそれを調べるべく人魂が出現する山へ向かう。そこで見たのは、大きい未練を持ったまま自殺しようとしている男だった。クロは、男の未練を解放するべく調べ始めるが…。
ここからネタバレ含む感想
霊的存在が動物に封じ込められ人の未練を断ち切っていく物語です。今回は、クロとレオ(こちらもクロと同業)がそれぞれ、一人ずつ未練を断ち切るために活動していたのが、偶然に同じ場所で遭遇するというところから大きな展開を迎えていくというストーリーで、過去の未練を断ち切るという前2作とは違い、現在進行形の事件を追っていくという展開になっています。
そして真犯人は、そう来るか…という感じで、伏線がうっすらと引いてあるのでヒントを見落とさないかというところがポイントになるのかな。それでも知念さんらしい最後の大展開は面白かったけど、犯人に操られていた人が心に傷を負わないで幸せに暮らせるといいなと思いました。
霊的存在については、まだ読者の知らない裏設定がいろいろありそうなので次の続編があれば少しずつ明らかになっていくのかなと思いました。
お医者さんである知念先生らしく最新の医学ネタも入っていて、でも、実際にこんなことが起こったらかなりキツイだろうな…と想像しました。このお話を読んで一人でも多くの人が病の危険性を感じてくれ、少しでも不幸な状況が起こることを減らせるといいなと思いました。物語でこんな風に啓発活動できるなんて凄いなぁ~と思います。映像化されたら本当に泣いてしまいそうです。
さらに続編もお待ちしております。
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