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神様のカルテ 夏川草介


あらすじ

医師の栗原一止は、24時間、365日対応の本庄病院に勤めている。今日は結婚記念日だったのに気が付いたのは今日が終わる一時間前、救急の当直中で「引きの栗原」と言われるくらいひっきりなしに患者がやってくる。
ようやく我が家に帰り着いたら写真家の細君は一週間、モンブランへ出発していた…。


ここからネタバレ含む感想

本屋大賞で二位だったという本作は以前から知っていはいたのですが、田舎の医療の話から連想した物語は、結構湿っぽいお話なのかな…と思ってなんとなく距離を取ってきた1冊です。
29歳の若い医師、医局には入らず、市中の病院で勤務。妻は、下宿先にたまたまやってきた山の写真家で、同じ下宿には、男爵、学士殿と呼んでいる個性的な下宿人たちと暮らしている。夏目漱石が好きで、口調も29歳とは思えないくらい年代的という設定だった。この口調どこかで読んだような…と思ったら「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)と似てるなぁ~と思いました。(実際に並べて比較はしていません…ので私の中のイメージです。)
医師が作者なので、地方の急性期病院の現実もところどころ、大学病院の現実もところどころ登場する。この部分だけやけにリアリティがあるし、自分が病院に入院したときに感じたものとも一致するので、実際に大変な職場なんだろうなぁ…と思いました。
医局に入らなかったけど、現在の病院でメキメキ腕を上げてきたので今度は医局側からもお誘いがありどうするか…と悩む主人公、でも、一人の末期がんの患者を見送ったことでとりあえず、このまま今の場所にいると決めるところで終わります。
続編もありますのでそちらも読んでみたいと思います。

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