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屋上のテロリスト 知念実希人

あらすじ

第2次世界大戦、なかなか降伏しなかった日本は、アメリカとソ連から進軍され東西に分断されてしまった。東西の間には壁が張り巡らせかつて1つだった国を分断している。そんな世界のお話です。
その日に自殺するつもりだった高校生の彰人は、学校の屋上で同じクラスだけれども学校に来ていなかった沙希と出会う。沙希にアルバイトを持ち掛けられた彰人はその話に乗るが…。

ここからネタバレ含む感想

東西に分断された日本というパラレルワールドの中で、沙希は何か企みを働いていてそれを彰人に手伝ってほしいと持ち掛けます。沙希に連れまわされて、振り回されっぱなしの彰人の語りで、読者も沙希の企みに振り回されるようになります。中盤くらいで多分こんな感じだろうと思ったのですが、なかなか沙希の企みは巧みでした。
高校生ながら自分の地位を利用しつつ、いろいろな餌をまきながら大人を翻弄する高校生、なかなかいないなぁ~と思いながら読みました。
割とハードな話なのですが、首謀者が高校生の設定の為か割とそこまでの重さは無く、何をどうするつもりなのか…と考えながら最後まで読めてしまいます。
例えば、同じ話を東野圭吾さんが書いたらもっと年齢が上の主人公でもっと重たい話になったんではないかなぁ…とよくわからない感想が浮かびました。高校生というところで爽やかさが出ているなぁ~と思いますが、これだけ壮大な計画を沙希が一人で考え出したとすると末恐ろしい…と思いました。

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