invertⅡ 相沢沙呼
あらすじ
霊媒探偵シリーズの第3弾。前回に引き続き倒叙ミステリーです。
友人の別荘に潜んでいた僕は、誤って友人の母を殺してしまった。これからどうするか考えていたときにインターフォンが鳴り、車が故障して困っている二人連れの女の人が訪ねてくる。この家の住人の振りをして何とかやり過ごそうとするが…。
ここからネタバレ含む感想
中編2話。前作に続き、犯人が語りと務める倒叙ミステリーなので、犯人の目を通して何が起こったのか推理する。
1話目は、友人の別荘に忍び込んで誤って友人の母を殺してしまった夏木蒼汰が語りを務める。死体が見つからないように誤魔化そうとするが、何かを感じ取った翡翠はあれこれ画策しながら真実を推理する。蒼汰も気づかなかった真相が明らかになる。
2話目は、写真家の江刺詢子が語りを務める。復讐もの殺人事件のお話。いじめにより自殺に追い込まれた妹の復讐を果たすために完全犯罪を目指す純子はアリバイ証人として、カフェで知り合った翡翠を立てる。しかし、不用意な言葉から逆に翡翠に犯人とバレてしまう。通常は犯人とわかって近づ翡翠がたまたま入ったカフェで知り合って、しかも話の趣味の合う友人になれそうな相手が犯人の為いつもとは違ったアプローチで追い込んでいく。ふだんあまり感情が出ない翡翠の心情がところどころに見られるお話で面白かった。最後の真の暴露で偶然が、必然に変わったような何とも言えない縁を感じてしまった。
警察から捜査協力される翡翠の秘密についても少し触れられるが、まだ謎ばかりなので今後、続編があればその辺りも明らかになってくるのかなと思うと続編が楽しみです。
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