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冷たい校舎の時は止まる(上・下) 辻村深月

あらすじ

雪の降る日、高校生の深月、鷹野、リカ、菅原、昭彦、景子は始業時間になってもチャイムは鳴らず、他の生徒も登校してこないことを不審に思い職員室に行くが、職員室に先生の姿は一人もなかった。外に出ようとすると昇降口の扉は開かない。その後、合流した清水と充を加え8人が学校に閉じ込められていた…。
読順7番目、辻村さんのデビュー作です。

ここからネタバレ含む感想

校舎に閉じ込められた8人の記憶には、2ヵ月前に自殺した人物の記憶が抜け落ちていた。8人の中の誰かが学園祭の当日自殺し、それぞれがショックを受けていた。しかし、その人物が誰か分からない。
そんな状況から物語が始まり、自殺した人物を思い出すようにそれぞれが記憶を辿ります。それでも、その人物について思い出せない…。
時計は、自殺した時間の5時53分で止まり、時間の経過も分からない中で8人は閉じ込められた校舎内で過ごします。
8人それぞれのキャラクターが丁寧に描かれていて、それぞらの抱える家庭の事情だったり、自分の立ち位置だったり、自分が抱えているトラブルだったり、なんだかリアルだけど、少し切ないような感じが出ていますが、デビュー作はほとんどの作家がちょっと粗削りな感じあるのですがその辺りが全く感じられないのがすごいな…という感想です。
ミステリーとも読めるし、ホラーとも読めるしいろいろな読み方ができる作品ではないかと思います。時間をおいて読み直すとまた違う印象を受けるかなと思いました。


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