黒猫の小夜曲　知念実希人

あらすじ

「死神」シリーズの第2弾。
死んだ魂を『我が主様』へ届ける『道案内』の私は上司からの指示で黒猫の体を借りて地上の未練を残しそうな人からその未練を取り除く仕事をすることになった。地上に降りた時にトラブルになったカラスから助けてくれた未練を残した魂を見つけたが、その魂は自分が何者かもわからないといった。
事故で意識を失っている人がいると聞きその魂をその人の体の中に入れた。意識を失っていたのは麻矢という女性で交通事故で意識が戻らなくなっていたという。その魂は、麻矢として自分の記憶を取り戻そうとするが…。

ここからネタバレ含む感想

前作の最後に次はあいつを推薦してやるの言葉通り推薦されて黒猫のクロとして生きることになった『道案内』は、麻矢の中に入った魂の情報から未練を残してとどまっている魂を見つけ未練から解放する仕事に取り掛かる。
次々、未練から解放していると次第に、人々の関係からある製薬会社の関係者がたくさん絡んでいることに気が付く。そこから、新たな事件の真相が見えてくる。
事件の内容は異なりますが、一つ一つ未練を解放していくと次第に大きな事件が見えてくる展開は前作と同じ。前作は、死ぬ前に未練から解放だったのが今回は未練を残した魂を見つけてそこから解放するための調査を行うという展開です。黒猫なのであちらこちらの出入りは割と自由にできるけれど部屋まではなかなか侵入できない。猫だといざというときに力が足りないよなぁ～と思っていたらそんな場面も登場しましたが、そこで前作のレオ登場。犬として元気に暮らしているようでした。
さらにシリーズとして読んでみたいのですが、残念ながら出版されているのは2作までです。この作家さんの中では一番好きなシリーズになりそうなのに残念です…。