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先祖探偵 新川帆立

あらすじ

邑楽風子は母と別れてから20年以上一人で暮らしていた。現在の仕事は先祖探偵、依頼主の先祖をたどるという調査を行う探偵をしている。
依頼者の裕翔は大手商社勤務で、自分の曽祖父について調べてほしいという。聞けば、曽祖父が戸籍上まだ生存していて、長寿の祝いを役所から送りたいと役所の職員が訪ねてきたとのことだったが…。


ここからネタバレ含む感想

先祖探偵を始めたのは風子自身が小さい頃母親に捨てられ自分の出自を知らずにいるのでいつか調べたいと考えているからだった。
作者が弁護士のこともありテーマは幽霊戸籍、棄児戸籍、焼失戸籍、無戸籍、棄民戸籍と戸籍にまつわる話でつながっているテーマとなっている。
犯罪有、オカルト有と依頼者ごとにいろいろな設定と突き詰めているのでそれぞれのお話自体も面白く読めます。
全体を通しては、風子の自分自身の出自を知りたい。母はなぜ自分を捨てたのかというストーリーが流れていて最終話でその真実が知らされますが、戸籍という役所で管理する紙1枚のことなのですが、それがあるとないとでは人生が大きく分岐してくるそんな状況が描かれている物語でした。
少し前にまた別の無戸籍の小説を読んでいたので私の中ではそちらとシンクロして響いている感じがしました。

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