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神様のカルテ3 夏川草介


あらすじ

本庄病院で内科医師として働く栗原一止の続編。
救急当直担当の日、「引きの栗原」と言われるだけあって、今日もたくさんの患者がやってきた。そんな当直明け、天神祭りの準備が進められているところを帰宅途中に患者の横山さんと出会う。横山さんはアルコールの飲み過ぎで肝臓を悪くしており入院もしていた。聞けば、今はアルコールを控えているという。天神祭りでは金魚屋を開くと言うがそんな横山さんが栗原の前で突然倒れてしまう…。


ここからネタバレ含む感想

前作で亡くなった古狐先生の後任で赴任してきた小幡先生、美人で快活で人当たりもよいと内科の看護師からの評判も上々だが、救急外来の戸村師長は少し違った見解を示していた。
新しい先生が加わって再び賑やかになったように見える内科だったが、小幡先生なかなか喰えない人物らしく徐々にその片鱗が見えてくる。そんな傍ら、内科主任のいつでも冷静な東西が、運び込まれてきた患者を見て顔色意を変えるという事件が起こる。聞けば、東西が昔お世話になったらしい人物とのこと、にわかに病棟内は噂でもちきりになる。
前作では、地域病院で働くことにやりがいを感じていた栗原だったが、小幡先生の登場でその信念がぐらついてくる。そこへ、82歳の診断の難しい患者が入院してきてさらに栗原の医師としての方向性がぐらつくことが起こる。
治療方針に0か100かで判断しなくてはいけないという小幡先生の言葉が印象的でした。いろいろな検査結果から総合的に判断して…と治療方針を決めますが、難しい状況だとこれ自身がとても難しい…自分の身というか家族の身に起こった場合は自分自身はどんな判断をするのだろうか…と考えてしまいました。癒し系のお話ではあるのですが、今回はそれぞれの重い過去も重なっていろいろ考えさせられる物語でした。

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