今死ぬ夢を見ましたか　辻堂ゆめ

あらすじ

井瀬は父親殺しの罪で少年刑務所に入り、出所後は高校の同級生、五味渕が立ち上げた奨学金支援のNPO法人で働いている。乗っている電車が事故を起こし電車の中に留め置かれる。その時に、井瀬は鴨宮駅のホームから落下する夢を見た。夢から目覚めた井瀬は、女子高生に声を掛けられる。彼女は井瀬が明晰夢を見たのではないかと問いかけられる。

ここからネタバレ含む感想

夢で見た内容が現実に起こる明晰夢を見るようになった井瀬は、同じように明晰夢を見ているという女子高生の片岡紗世から声を掛けられる。紗世も明晰夢を見るようになり自分は将来死ぬことになると告げる。明晰夢の中では井瀬はホームから転落して死亡することになることを知る。しかし、その状況は不可解なものでこの謎を解いていくのがストーリーとなる。
明晰夢を見るのは電車に乗っている間だけで突然眠気が襲ってきて夢を見る。その夢で見た内容が、現実に起こるようになる。
夢は現実で起こるけど、行動を変えると未来も変わる。しかし、変わった末来はさらに悪い状況になると紗世に聞いた井瀬は状況に悩むことになる。自分が死ぬまであと半年その間に何が起こるのか…。最後の方は、真実が次々と判明し、そしてその日を迎える。
未来に起こることを推理するという少し変わったシチュエーションのミステリーです。切り口は面白いですが、いろいろ考えると井瀬の人生はかなりきつかったと思いました。