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闇祓 辻村深月


あらすじ

高校生、原野澪のクラスに白石要が転校してきた。高校の制服ではなく詰襟を着ていた。担任から校内を案内するように言われた澪は白井と一緒に校内を案内するがそこで、白石から今日、澪の家に行きたいと突然言われる。驚いた澪は同じ陸上部の先輩神原に相談するとその日は家まで送ってくれた。しかし、翌日も白石からのアプローチは続いた…。


ここからネタバレ含む感想

小説のテーマは「闇ハラ」、相手の心の隙間に付け込んであれこれその人をコントロールし、周りの人間を不幸に導く…そんな、人々のお話でした。
5話からなるお話で、第1話に登場する澪と白石は最終話にまた登場するのですが間の話は、それぞれ独立した短編のような印象を受けるのですが実はそれぞれつながっている…という短編連作になっています。
陸上部の憧れの神原先輩があんな風に展開するとは思わなかったので1話目ではかなり作者に騙されました。そして、最初から怪しすぎた白石は逆方向に騙されましたがこのタイプの登場人物、最近読む本によく出てくるな…。
この話の中に登場するエピソードは一つ一つは「いやー、いくら何でもそこまでの事にはならないでしょ…」と思うようなものですが、さらに細分化していくと日常的にありそうな出来事がまき散らされていて、ゾッとするような要素(この部分がホラーになっている)が含まれています。
自分は闇ハラをやっていないか…と心配になる一方で、自分も被害者になっているかもな…という気持ちも出てきて、考えさせられる物語でした。
最後まで読むとこの1作で終わるのか、また続編があるのか…気になるところです。
最初本のタイトル「闇祓」を「ヤミバライ」と読んでしまったのでハリー・ポッターの中に出てくる「闇祓」をモチーフにしているのかなとも思いましたがどうかな…それは考え過ぎかな…。

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