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夏季限定トロピカルパフェ事件  米澤穂信

小市民シリーズの第2弾。今回は高校2年生の夏休み編です。
夏休みに入り、小鳩常悟朗は協定を結んでお互いに小市民を目指している小佐内ゆきから夏休み中に<小佐内スイーツセレクション・夏>なる地図を渡されて夏休みにスイーツに付き合う約束をする。
いつも、長期休暇中はお互いに干渉しないのに不思議に思いながら付き合う常悟朗だったが…。







ここから、ネタバレ含む
最初のスイーツ、マンゴープリン2つとシャルロットのグレープフルーツのせ4つの買い物を頼まれた常悟朗は、<ジェフベック>へ向かうがシャルロットは残り3つしかなかったため3つ購入してゆきの家へ向かう。しかし、ゆきの家で待たされた時につい、シャルロットを1つ食べて買ってきたことをなかったことにしてしまう…。それを、ゆきに指摘され夏休みはスイーツセレクション・夏に付き合うことを約束されられる。
また、常悟朗は同級生の堂島からあるグループに無理矢理仲間入りさせられている知り合いの姉を抜けされるためいろいろ手を尽くしたがうまくいかないと愚痴を聞かされる。
ここまでは、普通の(?)お話ですが、後半に差し掛かると話が急展開します。地元のお祭り「三夜まつり」にゆきと出かける約束をした常悟朗だったが待ち合わせのゆきの家に行ってみるとゆきは外出中だった。そして、そこへゆきを誘拐したので身代金500万円を払うようにと電話が入る…。
ゆきが監禁されている場所を特定した常悟朗は堂島に頼み込み同行してもらう。無事にゆきを救出できたが、常悟朗には気にかかることがあった…。
話をすべて読んでからもう一度読み返すと、ここにも伏線が…ということがたくさんちりばめられているので、二度読みおすすめの作品です。うーん、そこから始まっていたのか…と後半読みながら唸ってしまいました。米澤氏、ストーリ展開がうまいな…と思いました。常悟朗の視点で話が綴られているのでゆきにどのくらい振り回されたか考えるとゆきの方が3枚くらい上を行っているのかな…と思いました。

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