目を見て話せない　似鳥鶏

あらすじ

大学生になった藤村京は初日のシラバスから自己紹介をするという難問に遭遇する。コミュ障害のある藤村は、人と話をするのが苦手でまして、人前で発言するということは不可能に近いことだった…。
自己紹介を短く済ませた藤村だったが彼に話しかける人は皆無で、一人眠ってしまった。目が覚めると講義室に一人取り残され、そこに高級そうな折り畳み傘を見つける。

ここからネタバレ含む感想

コミュ障害で、名探偵という少し変わったキャラクターの藤村、大学生初日に見つけた折り畳み傘をきっかけに同じ一年生の加越さんとID交換ができ、さらに同じ学部に小学校の同級生里中が声をかけてくれて何とか大学生活をスタートさせる。
そこへ、日常の謎的な事件が起きて持ち前の推理力で地味に事件を解決していく…というストーリーです。事件を通じてなんとなく藤村の周りには、加越さん、里中、事件で知り合った皆木さんという少し（かなり？）個性的な人たちとそれなりに有意義な大学生活を送っていく。
それでも、似鳥作品なので、最後のお話はなかなか凝ったシチュエーションに事件がかかわってきていてシリアスなお話になっています。
藤村から見ると、同じコミュ障害っぽい皆木さん以外は、すごくうまく回りとコミュニケーションとっているようでそれでも、里中も加越さんもコンプレックスを持っていて人は見かけによらずみんな悩んでいるんだな…というのがよくわかるお話でした。最後の藤村くんの悟りがいいなと思いました。