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服が嫌いな私と牛乳が嫌いな彼

彼がハクだったんだと気付いて、
ということはニギハヤヒなんだと思って調べたら、

彼の家の近くに祀られている神社があった。

ニギハヤヒは彦星らしい。

私たちはお互いを認知していない頃、
一年に一度だけイベントで同じ会場にいた。

一年に一度だけ会うなんて
「まるで織姫と彦星みたいだな」とよく考えていた。

その翌年は週1回会えるようになって、

今年は今のところ1カ月に一回会っている。


私は彼と初めて話をした日から
彼以外のことが全く考えられなくなり、パソコンの前でフリーズする日々が続いていた。
織姫と彦星は出会ってから他のことがどうでもよくなってしまい、
二人共仕事をほっぽり出してしまったらしい。

私は昔から洋服が好きではなかった。ファッションに全く興味がなかった。
チクチクしなくて、動きやすくて、ダサくなければいいと思っていた。
光を反射しない『布』という素材が嫌で、プラスチックやガラスが大好きだった。それなのに昔から手芸はよくやっていて、布で何か作ったり編み物したりするのは得意だった。
これはもしかして”機織りという仕事が面倒と思った織姫の名残り”なのではないか?

機織りよりも彦星に会いたいと思う気持ちが強かった織姫。

更に彼は牛乳が嫌いらしいのだが、彦星は牛飼いである。

これは面白いシンクロだ。
私たちは『機織り』と『牛』のせいで会えなくなったように感じていたのかも知れない。

私と彼が会う日は必ず雨が降るのだが、
七夕に雨が降ると、カササギが助けてくれるらしい。
この前彼ともう一人の男性と三人で会ったのだが、彼は酉年だった。

何かと二人の間に入ってくれている彼はカササギなのだろうか?


そういえばこの前スピ系の3人でカフェに行った際に
「星乃珈琲って織姫と彦星の名前が付いてるんですよね」と言われて
ハッとした。七夕祭りに行きたいと考えていたところなので
まさかそんな話をされるとは思わなかった。

そのカフェのテーブルの番号が私の誕生日の3桁だったりして
なかなかミラクルが続いた日だった。


来月はニギハヤヒに会いに行こうかと思う。



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