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彼女   2

彼女   2

あるセッションで別の教室のおじさんが参加した。いつも参加しているおじさん。先生はこの人のコトを空気が読めなくて迷惑と言っていた。あまりそういうコトを先生の口からは聞きたくなかった。そうは言いながらも親睦会などではこのおじさんに挨拶をさせていた。このおじさん社長なのです。またお金か。先生は何かというとお金の話をする人だった。結局はお金か。虚しくなってますますセッションに参加する気がなくなる。

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彼女   1

彼女   1

私は彼女が大嫌いだった。

私と彼女は同じスクールに通っていた。ドラムスクール。彼女はもう2年通っていた。私が偶然そこに入った。私が通いはじめた頃、彼女は休んでばかりだったので私が彼女に会ったのはだいぶ後だった。

彼女はとても可愛く先生方のアイドルだった。それは先生方の態度ですぐにわかった。対応が全然違うのだ。もちろん顔つきも。とにかくデレデレしている。

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