創作ノート:ホワイトボード劇団の真髄(大熊)
トモダチガーデンの創作は続いています。
座長の大熊でございます。
最近はやっとホワイトボードを離れ、冒頭から立体化していっています。
ここ最近の稽古場は、まず座組み全員で台本をつくるところから始めています。これは主に私が本を書くことがウィークポイントだからというのに起因していましたが、大変に非効率ではありますが、その辺りを座組みにカバーしてもらうという作戦です。
ここ2回ほどその作戦をとってまして、今のとこ成功しているような気がします。この方法の良いところはいくつかありまして、
1)座組みの作品への理解度が必然的に高くなる
2)座組みのカラーが出やすくなる
3)座組みの創作力の底上げになる
他にもありそうですが、この3点が主な良いところです。
1の作品の理解度は、台本を脚本家から渡されて、それを座組みで話し合って理解を深めるのと似ています。ていうかその方法のが効率的です。しかし効率が必ず良い作品につながる訳ではなく、非効率や無駄や遊びの中に良いアイデアや素晴らしい作品になるヒントが隠されてると信じてる派でして、その回りくどい会議を重ねることで、実際に出来上がった時の作品の見え方が変わってくるように思います。それは皆んなが「なんとなく見えているあの世界を作り上げよう!」という共通の世界が見えているからかもしれません。
2の座組みのカラーが出やすくなるのは単純で、みんなのアイデアが脚本段階から詰め込まれるので、個々人のカラーがブレンドされることになります。その時関わっている人間の脳みそ分の色数です。
例えば鍬田は突飛なアイデアを出します。しかし飛躍しすぎて作品から遠いアイデアだったり、実現するには途方もないお金が必要だったりしますが、たまに「そんなんがあったか!」というナイスアイデアをぶっ放します。
例えば湯浅は考え方が偏ってきたときに社会的な部分だったり、追いやられている立場の人たちの気持ちを考えて軌道修正をかけたりします。
他のみんなも特有の脳みそから特有の意見を出します。なので必然的に座組みの性格を反映された作品が出来上がってくるのが面白いです。
3の座組みの創作力の底上げですが、壱劇屋はまだ若い俳優の多い劇団です。俳優の訓練というのは非常に難しく、まず「どのように訓練すればいいのか分からない」という難問があります。例えば発声や身体性などの単純なスキルであれば、まだ鍛え上げるワークを見つけることは容易い方だと思います。しかし創作力のワークというのは中々無いのでは?と思います。いや、あるかもですが。
私は常々、俳優にも創作能力が必要だと思っていて、創造力が豊かな俳優は沢山のアイデアでその場を面白くしてくれます。それも演出家が思いもしなかったアイデアだったりします。そしてそれは俳優自身から出たアイデア、つまり自分自身から出たものなので、俳優と作品両方にフィットしています。
その創造力を鍛えるのに、このホワイトボード会議はとても良い筋トレになってると思います。
なんか全体的にAIに書いてもらった文章みたいになってしまいましたが、
『トモダチガーデン』はそのような工程を経て立体化に臨んでおります。きっとこのまま進めば、みんなの脳みそと肉体の蠱毒のような作品になり、なんとも形容し難い、ジャンル分けの難しい、他所では決して食せない味わいの逸品ができあがりそうです。
おだのじみに。
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