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タイのアイドル事情 - オタク編

今回はタイの地下アイドルオタクについて。

他のエントリーでも言っていますが、私の主現場は地下なので地上(BNK48)の様子はわからないのであしからず。
ちなみに、地下のオタクはBNKに遊びに行くけど、BNKのオタクはあまり地下には来てないと思います。

このエントリーでの"オタク"は地下アイドルのオタクのこととして読んでください。

さて、一言でオタクとまとめてしまえば、基本的には日本のオタクと大差ありません。みんなアイドルが好きで、ライブやイベントで盛り上がったりチェキを撮ったりと。
オタクの分類も、沸き系オタク、オタ芸オタク、カメコ、楽曲派(?)など、タイプとしても日本と大して変わりません。ただ、タイの場合はカメコ兼沸き系のオタクがけっこういる印象。
在宅がいるのかどうかはよくわかりません。

ではタイと日本とでオタクの違いは何なのか。国民性による違い、アイドル文化の背景による違いがいくつかあります。

優しい

みんな基本的に優しいです。日本人が優しくないという話ではなく、わりといろんなことに対して譲り合う傾向がある。
例えばオタクがアイドルを囲んで写真撮影してる時に、どうぞどうぞと前の方に入れてくれたり、我先にというのが無いわけでは無いけど、ちょっと控えめなことが多いですね。

好意的な感情がダイレクト

日本から来るアイドルのインタビュー記事などでよく見かけるのが「タイの人はダイレクトに好きって言ってくれる。日本人は控えめ」というような内容。
確かにその通りで、好きなアイドルに対して直接的に(日本語で)好きと伝える光景をよく見かけるし、楽しいことをすごく楽しんでるし、えっちなことに対する反応もめっちゃくちゃ盛り上がる。
みんながみんなというわけではないけど、全体的にはその傾向が強い。
一方で負の感情はあまり見せないのがタイ人なので、少なくとも現場でマイナスになるようなことを言ったりしているのはほぼ見かけません。

マイペンライ精神

タイの国民性の一つとしてあるのがこの「マイペンライ精神」
「マイペンライ」とはザックリ言うと「大丈夫です」「気にしないで」という意味の言葉です。
タイでは迷惑をかけられた側だけでなく、かけた側もこの言葉を使うケースがあるので、良い意味でも悪い意味でも使えてしまいますが、ここでは基本的に良い意味での話。

例えばライブで盛り上がっているときに周囲の人とぶつかってしまった時なども、お互いにマイペンライで済ませるので、日本でたまに聞くようなオタク同士のケンカはほぼ無いです。
少なくとも私自身は現場でそういうのを見た覚えが無いですね。
(日本から遠征してきたオタクが入場整理順をインチキした時に揉めていたという話はありましたが…)

良くも悪くも他人に対して深く踏み込んでいかないという面によるものもあるのかなとも思います。

厄介やヤバい奴がいない

オタク同士のケンカを見たことが無いと書きましたが、そもそもケンカに発展するような行為をするいわゆる厄介がいないですね。
あと、明らかに挙動がおかしい人やアイドルに対して暴言を吐いたり、すぐ病むような人、構ってちゃんみたいな人も全然いない。

これは私の見解ですが、タイでオタクするにはある程度の金銭的余裕が必要なんですよ。
例えば、チェキの相場は300バーツ(約1,000円)なので日本の1/2くらいで、大学卒の初任給が約20,000バーツ(約70,000円)で日本の1/3くらいかな。ちなみに私がいつも食べてる昼食は50バーツです。
物価的に考えれば、チェキって比較的高い価格設定だと思うんですが、みんな結構チェキ撮るんですよ。

あと、タイのアイドル現場は基本的に撮影OKなのでカメラ持ってるオタクがたくさんいるんですが、みんな良いボディ良いレンズ持ってるのを見てもそれなりにお金持ってるんだなと。

ちょっと話が逸れましたが、タイで金銭的余裕がある人ってどういう人かというと、たいてい家庭がそれなりに裕福で、ちゃんと大学を出て、それなりの企業に就職している人ということになるわけです。
アイドルの職業についてのエントリーで、アイドルはそれなりの学歴という話をしましたが、オタクも同様でそれなりの教養を持った人がほとんどなので現場が荒れない。

「お金の余裕は心の余裕」

DDが多い

DD(誰でも大好き)が多いです。と書くと聞こえが悪いですが、DDというより「みんな大好き」といった感じですね。
地下アイドルのオタクはもともと日本のアイドルが好きな人が多く、日本からアイドルが来ることはたまにしかないのでどのグループも好きになるし、アイドルとの距離感も日本よりさらに近いので、みんなに対して好意的になるのはおかしくないです。

あと、対バンでのオタクの入れ替わりが無いというのも要因かもしれません。日本の対バンだと推しグループの出番の時だけそこのオタクが前に出て、終わると下がるという感じですが、タイだと始めから最後までほとんど移動しないので必然的にいろんなアイドルを見ることになって好きになるというのもあると思います。

かくいう私も日本のアイドルを応援していた時は1つのグループに対して箱推しでしたが、タイの地下アイドルを応援するようになってからは、どこのグループにも顔を出すようになったし、特に推してるグループが集まる対バンだとチェキ周りきれない状況になりつつ…

まあ、どのグループも楽しめるというのは良いことですよ。

日本語が話せる

わりと日本語が話せるオタクがいます。
というのは、やはり日本のアイドルと話がしたいという動機で勉強して身に付けてるというケースが多そう。今の時代TwitterやSHOWROOMなど日本のアイドルと直接コンタクトできる環境があるので、勉強すればすぐに実践できて覚えやすいんでしょうね。

ちなみに日本語ができないオタクでもMIXやコールは日本語のものがそのまま使われるので、意味を理解しているかどうかは別としてライブ中は日本語が飛び交います。

イベント会場内みんなオタク

これは日本ではほぼあり得ない状況だと思いますが、
ライブ会場内にいる人の分類
・イベントスタッフ → オタク
・アイドル運営 → オタク
・アイドル → オタク
・オタク → オタク
ということがままあるというか、ほぼこれ。

これで何が起きるかというと、会場内でスタッフや運営がオタクと一緒にオタ芸打ってたり、アイドルが別のアイドルのステージ中に振りコピしてる、ライブ出演してないアイドルや運営がオタクとして普通に観に来てるという光景が日常茶飯事的に見られる。

そもそもオタクがアイドルになったり運営になったりするケースがほとんどなので、オタクとアイドルが友達、オタクと運営が友達ということもよくあるので、オタクとして楽しむことに対して双方気にしてないという感覚。

そういう距離感が当たり前になっているので、厄介だとか病むだとかストーカーだとかみたいなヤバいことになりにくいのかなとも思ってます。
これに関してももちろんみんながみんなではないし、おそらくBNKではそうはいかないでしょうね。知らんけど。

最後に

そんな感じで、どこの地下アイドル現場も楽しい現場なので、ふらっとタイに来てアイドル現場を眺めてみると面白いですよ。

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