月刊連載中に休暇を取るには
「修羅場でイキてるポルノ屋さん」連載中!
少年画報社刊「月刊ヤングアワーズGH」で、「修羅場でイキてるポルノ屋さん」連載中です(2024/03/11現在)。単行本1巻発売中。
女三人組のエロ漫画家ユニット「フジミノスミエ」の”限界”仕事場に、ひょんな事からバイトで入った青年・林田くんが色々頑張るドタバタギャグオタクコメディ漫画です。今どき珍しく熱血系の作家漫画で、共感性羞恥をなるべく刺激しないように心を砕いていますので、一般の読者様はもちろん、DEEPなオタクの貴方、クリエイター系で働いていらっしゃる皆様にもオススメです。エロ漫画が嫌いな人にだけは唯一おすすめできません。以上宣伝。
月刊連載中の休み方について
前提として、何があったか
今月の原稿(2024年3月発売の雑誌掲載回)の作業終盤…
つまり2月末から3月頭で、いろんなことがありました。具体的には…
詐欺まがいの電話にうっかり引っ掛かりそうになり、対応させられる。
コミティアや出版社の集まり、突発的な打ち合わせなど、外出の機会がぼちぼち多かった。
一ヶ月の間に水面下で急激に企画が立ち上がり、進み、ドタバタし、紆余曲折を経て、一旦凍結された。
花粉症の症状が出始めた上、いきなり喉風邪をこじらせた。
風邪をこじらせたことで、友達の家に遊びに行く予定が潰れた。
予約していたタイミングだったので、親知らずを抜いた。
確定申告を先に済ませておいてマジで良かった。更に幸いなことに、遊びに行く予定を先に立てていたおかげで作業自体は少し巻き(早め、の意味)で進行しており、色々あってもなんとか〆切にはキッチリ原稿間に合いました。アシスタントやってくれたヨイコノtt先生ありがとう。
普段通りのスケジュール
アワーズGHがだいたい毎月15日とかそこらに発売されます。日曜祝日が挟まるとズレたり、電子版は何故か数日遅れで配信されますが、それはいいとして…
この漫画は話数のストックが最初から一つもなく、描いた漫画が2,3週間後に雑誌に載るという執筆ペースで続いています。これはおれが〆切ギリギリ作家だからというわけではなく、企画自体の前提が原因で、
編集部のGOサインが出てから連載になるまでにほとんど準備期間がなく、第1話からそうせざるを得なかったというだけの話です。もちろん悪いことではありません。アイディア出したら速攻で通っていきなり雑誌連載ゲットなんて、普通に考えたら夢のようなテンポ感ですから。
とはいえ。作画が終わると2,3日置いて、次のお話のプロットを作るわけで。
もちろん先の2,3話分ぐらいは何をやるかザックリと予定していますし、プロットを綿密に作るタイプなので、ネーム以降の作業で迷ったりすることはあんまりありません。この連載に関しては編集部からの修正もかなり少なく、微調整程度で済んでいます。
ゆえに普段はこのペースでのプロット制作に対して、ほとんど苦に感じることはないのですが今月はちょっと違った。前述の通りいろいろあったので…
「あ、休もう」と思った
作画が終わると担当編集から電話がかかってきて、お疲れ様でしたの挨拶と、軽い打ち合わせ…次回はどんなお話にするかの確認を話し合います。で、だいたい方向性が決まったらプロット(お話の全体像を記したテキスト、表のこと)の締切日を確認して、通話はおしまいです。
さっきも言った通りプロットの締切はだいたい3日後とか。電話打ち合わせは軽妙に進み、特に問題なくやれるかなと思っていたのですが。
実は電話打ち合わせ中、おれが何処にいたのかというと、親知らずを抜いた後、初めて使う薬局の処方箋受付で問診票を書いていました。わりとダメージを受けた直後だったのですね。なので通話を終えた後、薬を貰い、家に帰ってしばらくダラダラして、明日からプロットに取り掛かろうという腹積もりでした。
で、実際にその日は本読んだりゲームして一日を終え、翌日は整体に行き、月イチで実家に顔を出しているので家族でご飯を食べ、帰ってさぁプロットどうしようかな…とPC前に座…あ、座りたくねえ。
ていうか、もう寝よう。もう全然何にも手を付けたくない。テンション上がんねー。身体のエンジンの動きが悪いというよりエンジンをかけるトリガーに手がかからないというか。これはマズイな~~~~~~~
う~ん、よし、休もう。
漫画一本にかかる日数
休むなら休むなりに、がっつり休日は取りつつも原稿は間に合わせないといけないな、と思いました(当たり前ですが)。では、普段の作業についてちょっとまとめてみようかしら…
普段からそこそこ真面目にスケジュールを組んで漫画を描いているおかげで、月ごとの作業量や稼働日数というのはだいたい把握していました。
1話20ページ前後としてザックリと提示しますと、
プロット(話の骨組み造り)1~3日
ネーム(漫画のコマ割り、セリフ決め)1~3日
下書き(絵や構図のアタリをつける、吹き出しや効果音の作画)4~5日
ペン入れ(清書)8~10日
仕上げ(アシさんの作業後の原稿に、最後の手を入れる)1~2日
最大日数を取ると22日。合間に休日を挟むため全体26日。
逆に最速を考えると作業日数17日で全体20日とかそこらで済むらしい。
で、この最大日数取る場合というのは、日常的にかなりラクをしています。ペン入れ期間は特に顕著で一日2ページ描いたら終わり、実作業時間は6時間ほどです。そして2,3日働いて1日休む。普段はこのスケジュールで進め、空いた時間でしこたまゲームをしているわけです。ここは短縮ポイントになりました。
「修羅場でイキてるポルノ屋さん」はありがたいことに、連載が開始されて1年ほど経ちました。キャラクター達や普段描く背景に描きなれて、連載当初に比べると負担は減ってきています。
なので最近思っていました。一日2ページはラクすぎるなと。もうちょい働いたほうが良い。というか、実際「今日はもっと描けそう」と思ったタイミングでは2.5~3ページ進めている日が増えてきていました。能力や体力が上がっているのかもしれない。では、今月はそれで行こう…
組んだスケジュールがこちらです。カレンダーはこちらから頂きました。
ラクなスケジュールで行うと休暇含めて10日かかるペン入れの期間を、2日ほど巻いてみました。2,3日働いて1日休むというスパンも縮めて4日働いて1日休む、というペースに変更し、
これによって前半で5日ほど暇をとってもなんとかなるという、図にしてみると単純明快な話でしたがとにかく算段がついたと。
これを担当編集とアシスタントttさんに共有し、担当編集OKが出たので、晴れて直近に迫ったプロット〆切(本来は3月8日でした)から解放されたのです。で、休みに休んで、至る現在。
休んで何をしたか?
休むなら、執筆以外を
…と思いました。
とはいっても普段からそこそこちゃんと休んだり遊んだりしている方なので、溜めていた未鑑賞の作品をまとめて味わったり、逆にそれらからの義務感には支配されないよう、手を止めたくなったら止め、寝たい時は寝たりしようと。で、5日間でやったことは…
今期のアニメの直近更新分をまとめて鑑賞(ダンジョン飯、勇気爆発バーンブレイバーン、メタリックルージュ、ポケットモンスター)
YouTubeを見ながらスマホゲーのイベント進行(FGO、ブルアカ)
漫画(連載で追ってる作品を単行本で再読、その他新作や新刊を何冊か)
読書(「コミティア魂」を読破、「映像の原則」に手を付け始める)
二次創作らくがき(原稿期間になると全然やらなくなってしまうため)
ストリートファイター6(楽しい)
ポケットモンスターZ-Aの予習・復習に、改めてポケモンXをプレイ開始
クリスタのログインボーナスを貰う
るろうに剣心公式アンソロジーを入手(大亜門先生が載っていたので)
積みプラモ(フィギュアライズスタンダード・仮面ライダーW)
…うーん、なかなかの充実っぷり。合間合間にガッツリ寝たり、ご飯もちゃんと食べたりして、バリバリ引きこもり生活をやれました。憎き花粉舞う外に出なくて良いというのも最高ポイント。
らくがきをいくつか描いてネットに上げたので、気楽な範囲で一応ペンを握っていました。ペンを握らずに数日休むと地味に取り戻すのがキツいのは、以前味わって反省したので…
これを書いている現在は休暇最終日で、明日からはプロットと向き合うのですが、なんかやれそうな気がしてきました。リフレッシュにはなったかも。
欲を言えばゲームセンターに行きたい気持ちがあるぐらいですが、これはまぁ追々。ネーム作業で外に出たらついでに寄ればよいので、今は焦らなくてOK。ガッツリ休むと休むのに飽きて、次第に作業に戻らなきゃなという気分になるから不思議です。
おわりに
長期休暇、取れるなら取ったほうがいいですね。「なんか精神ヤバイかも」と思った瞬間に休暇を決行できるのが自営業の良いところだな~などと改めて思いました。風邪も随分良くなって本当によかった。
体調不良にかまけてエアロバイクサボっちゃったんで、そろそろ再開したいところです。みなさんも可能ならおもむろに取って、羽根を伸ばしてはいかがでしょうか。それでは、さようなら。
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