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時には足を止めて、子どもの成長を感じたい

子どもの成長ってすごい。

最近、自分に起こる成長と言えば、老化くらいしか思い浮かばない。
こんな私には、子どもの成長がとてもまぶしく、そのスピードに追い付けないときさえあります。

我が家の6歳の娘。彼女はまさに、私の目の前で次々と新しい成長を見せてくれている張本人です。今、彼女に起こっている変化について、ようやく落とし込めたかもしれない。親がそう感じた時には、すでに新しい表情を見せ始めています。

成長と言っても、幼児期の外見の変化は比較的わかりやすいかもしれません。身長が伸びて、体重が増えて、そして乳歯が抜け始める。「成長したね!」と、子どもも大人も素直に喜び合うことができます。

けれど心の成長はそう簡単ではありません。

変化がはじまるタイミングや、その過程を目で見ることはできません。本人さえも自分の中で何が起こっているのか理解しきれず、戸惑うこともあるようです。今回は、娘に最近起こったそんな「心の成長」の話を書こうと思います。

最近、娘の中でちょっとした変化が起こっていました。

急に過去の行動を振り返り、後悔するようになったのです。先日までは、むしろ自分への自己肯定感が高すぎるのでは、と気にしていたほどなのですが。ある日急に「何で私ってこうなんだろう」と思いつめ、時には泣き出すことさえありました。

悩みの内容と言えば、友達にぶつかってしまったのに上手く謝れなかったとか、先生の勘違いで褒められてしまったとか。大人にとっては些細な出来事なのですが、本人は真剣に悩んでおり、何度声をかけても一向に気持ちが晴れない様子。

こんな時「大丈夫だよ!」と、どーんと構えていられる親が理想なのかもしれません。けれど私は、あまりにも真剣に悩む娘を前に、自分の子育てが悪かったのではと困惑し、動揺を隠すことで精いっぱいでした。

こんな時、どのように対応すればよいのか、どんな声かけが必要なのか正解が見当たりませんでした。

溢れてくる感情が整理できずに泣きじゃくる娘。私は若干途方に暮れながら、一方では変化に戸惑い感情が高揚している娘がただ愛おしくて、しばらくギュッと抱きしめていました。

娘はすでに私の膝にすっぽり収まらなくなっており、その成長を感じざるを得ませんでした。

その夜でした。娘と寝る前に、彼女がくれた一言。

「今日、泣いていたときに慰めてくれてありがとね」

ただただ胸が熱くなりました。

私には子育ての正解なんて分からないし、完璧な指南書なんて持っていません。けれど、どの親も必ず持っているものがあります。それは子どもをギュッと抱きしめてあげること。完璧な声かけは出来なくても、ただそれだけで十分なのかもしれません。

そしてその夜、もう一つ私が感じたこと。それは、こうして足を止めて、娘の変化、娘の成長を一緒に感じさせてもらっている。この時間に感謝したいという気持ちでした。

日々せわしなく過ごしていると、気付かないうちに子どもはどんどん成長していきます。気が付けば言葉を流暢に話すようになり、気が付けば自分で靴をはけるようになり、気が付けば親の心配までしてくれるようになっています。これまでにも、手から溢れ出して見逃してしまった成長が幾つもあったと思います。

気付けば子どもは成長している。これが子育てなのかもしれません。けれど、時にこうやって足を止めて、娘の成長を感じて一緒に喜んだり、悩んだりしたい。そう思います。

これからも娘はますます成長していくでしょう。勿論、親のうれしい成長ばかりではないはずです。反抗期などの難しい時期もあるでしょうし、そもそも親の関わりを必要としなくなる日もくるのでしょう。それでも娘の成長、変化を近い場所から見守っていたいものです。


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