犬を食べる韓国人、馬を食べる日本人
以下の内容には、犬に関する刺激的な話がありますので、
ご注意ください。
韓国での、犬という存在。
愛玩動物でもあり、食用でもあります。
このお話は、日本でも知られていると思います。
では、
牛肉や豚肉のように、普通の日常生活の中で
食べられているか?と言うと、そうではありません。
犬料理のことを別名
補身湯(ボシンタン)と呼んだりするのですが、
体を温め、弱っているときに食すと良いとされている
特別な薬膳料理のような存在なのです。
ですから、体が弱ってるなと感じる
年配の方が食すイメージがあります。
それじゃ、多くの韓国人が体を良くするために食べるのか?というと
そうでもありません。
20年近く、韓国に住んでいますが、
結構な割合で
「犬?かわいそうで食べられないよ」と話す
韓国人は多いと思いました。
しかし、「韓国では犬を食べる」という事実には
変わりありません。
このことに対して、
「人の友である犬を食すなんて、非道な!」と感じる
日本人も含めた外国人は少なくないと思います。
私は、こういった「何を食べるか」という文化の違いに対する
偏見的な考えは、持たないようにしています。
美味しんぼでも、取り上げらているテーマですが、
どの国でも、
風土に根付いた独特な「食文化」があります。
日本でも、一時期クジラについて取り沙汰されていたことがありました。
そして、私の大好きな「馬刺し」。
日本では、普通に食肉とされていますが、
このことを、韓国人の知人に話すと
「え?馬食べるの?」とビックリされたことが何度かあります。
韓国では、馬は食用という概念ではありません。
(ジェジュ島など限られた地域では、食されているようですが、、)
しかし、さすが食を重んじる国、韓国の方々です。
「自分たちが食べないものを食べる」という話を聞いても、
それに対して、評するということはありません。
犬と馬を比較すると、身近さが違うからじゃない?と
思われるかも知れません。そうなのかもしれない。
ですが、私の感じでは(あくまで)、、、
韓国人は、「食は何よりも大切なもの」という
強い価値観を持っています。
ですので、他国の食文化も尊重すべきという
考えを持つ方が多いように思います。
ところで、この犬料理。
在韓歴20年の私、、食べたことあるの?というお話です。
結論は「食べてしまった」です。
食べようと食べたわけではありませんでした。
食べたのは、義父母の家にて。
犬料理が好きな義父は、家でたまに作ったりしています。
(すごい、、、ですよね)
私に、「これ鶏肉スープだよ^^食べてみて」と
勧めてくる義父。
見た目は、鶏肉。疑いもしませんでした。
鶏肉好きな私は、「ありがとうございます」と
二つ返事でありがたくいただきました。
「美味しいですね^^」そう、美味しかったのです。
「それ、犬肉だよww」と義父。
それ以上は、食べられませんでした。
その一切れの犬肉。
10年以上も前のことですが、今でも鮮明に覚えています。
鶏肉に似た(ほぼ鶏肉)食感、見た目。
味も鶏肉と似ていますが、鶏肉より脂肪分が少ないような
印象を受けた覚えがあります。
次は、馬刺しに関するエピソードをひとつ。
これは、今でも反省していることなのですが、
本当に悪いことを、韓国の友人にしてしまいました。
馬刺しを「牛肉のさしみ」と偽り、食べさせてしまったのです。
本当にごめんなさい。
気の置けない友人達だったとはいえ、
心の底から反省しています。
福岡へ一緒に旅をした時の話。
もつ鍋を食べようという話になり、コースを注文しました。
そのメニューに「馬刺し」があることは、
私だけしか知らない事実でした。
ドッキリしてみようかな^^(お酒も入ってたから)
出てきた馬刺しを「これ、牛肉のさしみだよ」と説明し
「美味しいね」と、和気あいあいといただきました。
~ちなみに、韓国でユッケは、生肉にヤンニョムを施したもので、
味付けされていないものは「さしみ」と呼んでいます~
その後、「実は、これ馬刺しなんだよ、どうだった?」
さあ、この時の韓国人の反応。淡々と「美味しいね」の一言でした。
あまりの淡々とした反応。
「ええ??ホント?」から始まり
だましたことに対して文句言われるなり、
いろんな反応を期待していたのですが、
その時、拍子抜けしたことを覚えています。
食に対して、表立って評をしないこと。
これは、食を重んじる韓国の方のマナーなんだろうな。
心の中では、どう思っていたか分かりませんが
日本人である私を傷つけないようにという
韓国の友人たちの配慮もあったかも知れません。
テーマが少しナイーブなものだったかも知れません。
その国の食文化を見て、そこに住む人たちに対してまで
偏見を持ってしまうことって、普通によくあることだと思っています。
(私もそうだったし、そういう人もたくさん見てきました。)
そのことが正しいことなのか、一度考えてみる必要があると
私は思っています。
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