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中国で新設された情報支援部隊を煽る日本のメディアと、防衛研究所などの温度差

「中国、戦略支援部隊の廃止と組織変更 日本、台湾のメディアを利用して失敗を糊塗?」https://note.com/ichi_twnovel/n/n2ad2a18b196e )で書いたように、NHK、読売、日本経済新聞、朝日新聞など大手メディアの多くは中国発の情報をそのままあるいは大きな変化とか脅威増大ととれる表現を用いていた。

一方、前・陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和の「突然発表された中国人民解放軍の大改革、その詳細とこれまでの経緯」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/80619?page=5 )や防衛研究所の八塚正晃の「New Chinese reform addresses overlaps, reflects challenge of military control」https://www.aspistrategist.org.au/new-chinese-reform-addresses-overlaps-reflects-challenge-of-military-control/ )はそうではなかった。脅威増大というよりは、軍の組織の調整のためと汚職などの問題、そして戦略支援部隊の成果がかんばしくなかったことなどを指摘している。

おそらくこのあとも同様の動きが続くと思う。多くのメディアはおおげさにとりあげ、安全保障の専門家はあくまで軍内部の調整や汚職問題への対処などが理由という立場を取るだろう。ペロシ訪台直後の騒動に似ている。おおげさに中国の脅威を煽ることこと中国が望んでいることだと思うのだけど、日本の大手メディアはセンセーショナルな方に食いつきやすいので御しやすいということなのかも。ちょろいな。

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