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AIのもたらす経済変化が極右を増加させる

ブルッキングス研究所が4月25日に公開した「Does automation increase support for the far right?」https://www.brookings.edu/articles/does-automation-increase-support-for-the-far-right/ )によると、作業の自動化によって起こる経済不安は政治的偏向を強める傾向がある。
ドイツ、スイス、イギリスでは仕事を失ったり辞めたりした労働者は左翼政党を支持したが、政治に関心を失う傾向は6%から15%高く、政治に幻滅していることを反映していた。職を維持した労働者は、ポピュリスト右派に投票する傾向が強かった。いくつかの研究では自動化がポピュリスト右派への投票の増加を誘導するという証拠を提示している。
ただし、失業給付が高く、労働市場の保護が整っている場合、失業率の増加がポピュリズム支持に及ぼす影響はない。逆に低い場合には極右ポピュリズムへの支持が増加する。

現在の世界は放置していると気候変動による影響で水、食糧、エネルギーの問題が悪化する。さらに移民が増加するため、社会は不安定になる。今のところ、これらへの対処は不十分であり、悪化する一方だ。AIがもたらす極右ポピュリズムの増加が加わるとかなり危険な状態になることは容易に想像できる。

AIの利用が拡大することで労働市場に変化が起きた場合、社会制度が不十分な国では極右ポピュリズムが台頭する。日本はどうなるのだろう?

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