自民党に関するツイートは不自然に減少しているのか?

よく知られたことだが、自民党はネット監視部隊を持っている(メモ 記事日本におけるネット世論操作 https://note.com/ichi_twnovel/n/n86b4e2069c6b)。リアルタイムでSNSなどの書き込みをチェックし、問題あればすぐに通報して削除を要請する。ふと思ったのだが、そうであれば自民党に関するツイートは不自然に減少する傾向があってもよいはずだ。その削除の傾向から検閲方針、削除までのタイムラグなどがわかる。
ずっと監視し続けることはできないので、15日と16日の2日間に絞って減少が見られるかを確認した。同時に比較対照のために共産党に関するツイートも取得した。
先に申し上げておくと、不自然な減少は確認できなかった。しかし、再び挑戦する時の備忘録ともうひとつのちょっとした目的のためにここに記録を残しておく。
【補足】ツイッターアカウントを凍結され、およそ8時間で復活した能町みね子さん(@nmcmnc)の例もある。通報>凍結>復活が頻繁に短いサイクルで繰り返されている可能性もある。今回のデータ取得には投稿から数時間タイムラグがある。また、数日の間に凍結、復活していることもありそうだ。すでにわかっているようにツイッターのツイートは投稿後、2時間以内がもっともリツイートされる。その間だけ凍結あるいは削除している可能性もある。そうなると、補足するのはリアルタイム性が要求されるので今のやり方だといささか難しい。
 【さらに補足】過去のアカウント削除凍結事例を調べると、12時間くらいで復活する方も多い。フルアーカイブでは痕跡が残らないのは当然だが、リアルタイムで追いかける場合もそのタイムラグは12時間以内でなければならず、さらに投稿後から1時間おきに確認(いつ削除凍結されるかわからないため)しなければならない。数個の有名アカウントだったら追いかけるのは難しくないが、多数のアカウントに対して一斉に仕掛けているとその影響範囲を補足しにくい。数が多ければ目立つだろうとは思うけど。

15日と16日の自民党(「自民党」または「自由民主党」)と共産党(「共産党」ただし「中国共産党」を除く)
全体 234,466
RT 194118 82.79%
総ID数 70,053
148ツイートで全RTの50%を占める
276ツイートで全ツイートの50%を占める
59IDで全RTの50%を占める
103IDで全ツイートの50%を占める

このうち自民党に関するツイートは177,800件、共産党に関するものは62,914件だった。
5日後と7日後に同じデータを取得した。その結果が下表である。

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これを時間ごとのグラフにしたのが下図である。15日0時から16日24時までのものと、15日と16日を分けたものである。ご覧のようにほぼぴったりグラフは重なる。パーセントでグラフ化すると、違いは出るものの、これは誤差の範囲と考えられる。

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APIからツイートのデータを取得する場合、アカウント削除、ツイート削除、鍵をかける、鍵をはずす、アカウント復活などでリアルタイムで件数は変化する(フルアーカイブの場合は変化しないはず)。そのため数パーセントの変動は珍しくない。その範囲内の変化である。
結果として目立った不自然な減少は確認できなかった。いずれ違う方法で再度挑戦してみたい……と言っておくことで多少なりとも抑止効果はあるかもしれない。誰かが監視部隊の行動を監視しているかもしれない、と思ってもらえれば幸いである。

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