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山口絵美菜「決定版 観る将のための将棋ガイド」

・本書は、女流棋士としての活動と並行して、毎日新聞で観戦記者も務めるなど執筆活動も精力的に活動する著者が、「最近将棋に興味を持った」人や「観る将棋ファン」(観る将)の方々に向けた将棋のガイドブックとして執筆した1冊。

・将棋は日本の伝統文化のひとつで、「将棋盤」と「駒」を動かしていき、先に玉将を捕まえた方が勝ちのゲームである。
・将棋の駒には様々な由来があり、「王将・金将・銀将」は「キラキラ輝く財宝」が由来である。
・詳しく解説すると、王将の由来は「宝玉」という宝物であり、この宝玉は、貴重な玉・美しい石のことをいう。そんな由来を持つ王将のイメージは、キラキラと輝く宝石がぴったりなのだ。また、金将と銀将は共に金銀財宝を表しており、金将は王将のそばにぴったりと寄り添い、守る役割を担い、銀将は攻めも守りも得意とするフットワークの軽い駒である。
※この他にも桂馬・香車は「高級な香辛料」、飛車・角行は「乗り物」など各駒には由来があり、図解で紹介されているがその詳細は本書をご覧ください。

・棋士・女流棋士になるとは、一般社会における「就職」である。
※棋士・女流棋士のなり方については本書の「棋士・女流棋士になるには」をご参照ください。
・棋士・女流棋士になることが決まったら、必要書類の提出や日本将棋連盟への入会金の支払いなどの手続きを期限内に行う。この手続きを行わないと権利が消滅してしまうため、注意が必要である。
・この「棋士・女流棋士になる=就職」とは「日本将棋連盟の社員になる」のではない。あくまで棋士・女流棋士という仕事は自営業であり、日本将棋連盟に所属しているという立場である。
・棋士・女流棋士になるとサインを書く機会が増えるため、きちんと対応できるようにイベントに備えてサインの練習をする。
・「公務」の一環であるイベントでは棋士・女流棋士がその場でサインを書き上げる「サイン会」が催されるほか、サイン色紙や直筆扇子を販売する物販やチャリティーオークションが行われることが多々ある。そういった機会に備え、棋士・女流棋士の中には書道教室や日本将棋連盟の書道部に足を運んでいる人もいる。
※棋士・女流棋士のサインの書き方や日本将棋連盟の書道部の詳細については、本書をお読みください。

・本書では、「将棋とは宝物をとりあうゲーム」「将棋界とは」「棋士・女流棋士になるには-研修会と奨励会-」「棋士・女流棋士になってから-特色ある公式戦-」「対局日の流れ」「公式戦を勝ち進んだ先にあるもの-タイトル戦-」「棋士・女流棋士のワークライフバランス-対局と普及、そしてオフ-」「観戦という楽しみ方」「観戦以外の楽しみ方-読む、描く、撮る-」という章で構成されており、「プロはいつ、どこで将棋に出会い、プロ(棋士・女流棋士)を夢見るきっかけを得るのか」「どのようにプロになるのか」「プロになってからどのような活動をするのか」「プロが目指す先は何か」「棋士・女流棋士のプライベート、セカンドライフはどうなっているのか」「対局などの将棋の楽しみ方にはどんなものがあるのか」など、将棋の基本から裏側までの情報が収録された内容となっている。これを読めば、「観る将棋」(観る将)をより楽しむことができます!

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