矢崎良一「松坂世代、それから」
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矢崎良一「松坂世代、それから」

高橋一彰

・本書は、1980年度に生まれ、「平成の怪物」と称された松坂大輔をはじめとする「松坂世代」16人の生き様について書いた1冊。

①村田修一(巨人二軍野手総合コーチ/1865安打)
・2018年、巨人に戦力外通告をされ、BC(ベースボール・チャレンジ)リーグの栃木ゴールデンブレーブスにプレーすることになる。金銭面だけならばもっと条件の良いチームがあったが、選んだのにはある理由があった。
・2018年9月9日。栃木ゴールデンブレーブスのシーズン最終戦が村田氏の引退試合となる。現役通算1865安打。360本塁打はいずれも松坂世代の中で最多になる。だが、本人の中には「一番だ!」といく意識はあまりない。

②沢村幸明(日本通運監督/伝説の決勝戦)
・熊本工の澤村は、甲子園優勝をかけた松山商との決勝戦、延長11回にわたる末、松山商が勝ち、奇しくも優勝を逃す。そしてこれが彼にとって最初で最後の甲子園となってしまう。
・その後、法政大学に入学し、大学で野球をした後、日本通運に入社して、社会人野球で野球を続けるもプロから声がかけられることはなかったが、32歳のシーズンで、アマチュアのトッププレーヤーの証明のひとつである「都市対抗10年連続出場の表彰」という大きな勲章を手にする。
・現役生活を終えた後は、書類の管理、作業の手配などの業務を担当する傍ら、地域の社会人チームが取り組む中学生の指導や、臨時コーチのような形でグラウンドに立つこともあった。
・その後、2019年秋、社命を受け日本通運の監督に就任し、チームの指揮を執るようになる。

③手嶋健一(IRONMANオーナーシェフ・鉄板焼き店主)
・手嶋氏は近隣にある社会人野球チームの監督の勧めで、埼玉の聖望学園に入学し、甲子園を目指すも一度も登板することなく終わってしまう。卒業後は千葉工業大学に進学し、大学で野球を続けるが、父親の急死により、生活が一変したことから、野球への情熱が年々薄れていった。
・父親を亡くした後、居酒屋でアルバイトを始めたのをきっかけに、料理人の楽しみを覚え、飲食店で独立することを考えるようになる。5年ほどの厨房経験、調理師免許の取得、資金調達などを経て、2014年に二子玉川にてステーキ&鉄板焼きの店「IRONMAN」をオープンさせる。かつて大学で試合をした国際武道大学の監督が来店したことがご縁で、大学や社会人の監督などの野球関係者を連れて来店するようになる。

その他にも「大学卒業後、社会人野球をへてスポーツマネジメントに転身した澤井芳信氏」「高校球児からプロレスラーに転身した関本大介氏」「巨人→オリックス→スカウトマン→巨人二軍投手コーチという道を経た木佐貫洋氏」など松坂世代16名が本書で紹介されている。

松坂世代は一世を風靡した選手が数多くいるが、通算200勝、2000本安打に到達した選手はまだいない。通算記録においてはプロ野球史に名前を残す者がまだいないという事実はあるが、野球界に多大な影響を与えたのもまた事実である私は思う。本書を読んで初めて知った松坂世代もいて、その中には挫折を経て野球以外の人生に身を投じた者もいるが、その生き様には心打たれることが多かった。「甲子園がすべてではない。プロ野球がすべてではない。野球だけが人生ではない」ことをこの本に登場している16人の生き様が教えてくれました。

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高橋一彰
書評ライター 毎日1冊読書→SNS、Amazonレビューでアウトプット(1月25日時点で530日間継続中)SFTOP5→収 目標 慎 最上 内省 2020年から165冊以上の本をいただきました。「本をプレゼントしてもよい」という方はメッセージください。どんな本も紹介します。