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比企智浩「事業再構築補助金を獲得!審査員の心をつかむ魅せる事業計画書の作り方」

・本書は、茨城初の古民家ゲストハウス立ち上げの際に補助金を活用した経験があり、これまで500社以上に、補助金を活用した経営アドバイスをした中小企業診断士の著者が、返済不要である「事業再構築補助金」の概要とそれを獲得するための事業計画書の作成の裏ワザについて紹介した1冊。

・事業再構築補助金とは、「新型コロナウイルスの感染流行の影響で経営状態が悪化した中小企業が、現状からの脱却のために思い切った取り組みを行うこと」を国が応援するための補助金制度。
・この制度は、単にコロナ禍で売上が下がったので支援してほしい、という姿勢では支援を受けられない。何らかの新規性のあるビジネスモデルを行うことで、ウィズコロナ・ポストコロナの時代において再び成長できる可能性を説明できなければ、活用できない。
・しかも、手堅い計画を示さなければ審査は通らない。なぜなら、成長のみこみがない、あるいは計画性がない企業に補助金を支給しても、有効に活用されない可能性があるためである。それては国の審査がザルではないかと批判を国民から受けてしまう。
・また、事業再構築補助金制度は、1兆8000億円ほどの予算が確保され、2年間で使われることを想定している。補助金にこれほどの予算が割り当てられるのはかつてないこと。これまではどれほど大きくても年間で3000億〜4000億円ほどだったので、今回の補助金は単年度で従来の4倍の予算が組まれたことになる。

・事業再構築補助金は、オンラインで申請するため、インターネットに接続できるパソコンが必要になる。また、事業計画書の作成のためにWORDとEXCELが必要になる。また、事業計画を効果的に表現できるのでPOWER POINTも用意できたほうが望ましい。そして、事業再構築補助金の申請を行うためには、事前に「GビズIDプライムアカウント」を取得する必要がある。
※GビズIDプライムアカウント、事業再構築補助金申請のための必要な書類やその他の流れについては、本書をご覧ください。

事業計画書作成について
・国が指定している事業計画書のテンプレートは、
Ⅰ:補助事業の具体的取組内容
Ⅱ:将来の展望
Ⅲ:本事業で取得する主な資産
Ⅳ:収益計画
というシンプルなもの。

・事業再構築補助金の採択率をアップさせるポイントは「審査員」目線であり、
①文字ばかりでなく写真や図表などを挿入すること
②重要な文章を太字にしたり下線を引くこと
③定量的な裏付け
④文字区切り
⑤市場調査はほどほどにすること
の5つが取り上げられている。

・③の「定量的な裏付け」は、新規事業について市場、ターゲット、マーケティング施策、新規顧客を記載する際に、各数値がひも付くようにすること。例として、ターゲットが全国に100万人いると推測される市場で、自社のターゲットになる属性(20〜30代男性など)はそのうち10%の10万人、マーケティング施策によって10%の1万人にリーチ、そのうち1%が購入してくれるため100人が顧客になると数値でひも付けする。
・⑤の「市場調査はほどほどにする」は、マーケティング戦略の上で市場調査は必須だが、具体的なシェア分析はお金をかけないと入手できなかったり、莫大な時間がかかる。時間とお金を節約するためにも、インターネットで取得できる情報で裏付けることができれば十分である。
※①、②、④の詳細ならびに、実際に採択された事業計画書の事例については本書をご覧ください。

・本書では、「事業再構築補助金の制度」「事業計画書作りの前準備」「事業計画書作りは収益計画からスタート!」「審査項目を押さえる現状分析と改善の方向性」「審査員のハートをつかむ新規事業のマーケティング戦略」「事例から分かる採択のポイント」「電車申請のポイント」という章で構成されており、「事業再構築補助金の概要」「事業計画書づくりのポイント」「新規事業の遂行方法とスケジュール」「採択される事業の事例(カフェやラーメン店の飲食業・紹介形式からマッチング形式へ転換した人材紹介業・ヨガスクールに転換したダンススクールなど)」など、採択率75%の中小企業診断士が「ここまで紹介していいのか!」というくらい明かした事業計画書作成の裏ワザが紹介された内容となっている。

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