見出し画像

永井恒男・後藤照典著「発見・共鳴・実装で会社を変える パーパス・ドリブンな組織のつくり方」

・本書は、企業・組織や社員一人ひとりが個々のパーパス(社会における存在意義)を見つめ直し、再定義する動きが見られる中で、そのパーパス・ドリブンな組織をつくるにはどうすればよいかを考え、その実現の道のりを示した1冊。

・パーパス(Purpose)をそのまま訳すと「目的」を意味する。しかし、ビジネスの文脈では組織の存在意義のことを指す。「この組織は何のために存在しているか?」という組織の「Why?」の部分がパーパスに当たる。

・パーパスがあるメリットは、「組織において一貫性のある戦略が描かれ、一体感が生まれること」。実際に優れた組織に見られる特徴の1つは、心から信じられるパーパスを社員一人ひとりが胸に抱き、その達成に向けて実装している。また、パーパスから生まれた商品やサービスは顧客の共感や支持を生むことにつながる。その結果、売上か上がり、企業の持続的な経営が実現される。

・パーパスて盛り込むべき要素は、
①その組織の価値観(独自性)
②社会的な意義
の2つ。この2つを盛り込めているパーパスはそう多くはない。多くの企業が、どの組織にも掲げられているようか一般的な表現になっていたり、具体的にどう社会に貢献できるのか見えにくかったりする。

・著者の所属する会社のパーパスは「人と社会を大切にする会社を増やす。」である。企業にとって重要なことは、世の中の価値を提供し続け長期的に発展すること。自分たちの活動を通じて、人と社会を大切にする会社が溢れる世の中を創っていきたいと考えている。加えて、著者の所属する会社も、人と社会を大切にする会社であり続ける。

・パーパスはWhyである。それに対してビジョンはWhere、ミッションはWhatだと言える。ビジョンは「パーパスを実践し続ける中で訪れる未来のなかにある時点での最高の姿」を意味し、ミッションは「パーパス実現に向けて企業が果たす役割」と表現できる。

・本書は、「パーパスの定義と特徴」、「パーパス・ドリブン・経営を実現するために必要なことや期待される効果」、「パーパス・ドリブン・経営の3つのステップ(発見→共鳴→経営)」「パーパス・ドリブン・経営の実践例(ワコム・ぐるなび・日産自動車など)」が紹介されている。

一つひとつの社会課題を解決していく道標になる作品です。

#瞬読アウトプット  #1分書評 #日本能率協会マネジメントセンター #パーパス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?