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瀬川文子「職場に活かすベストコミュニケーション ゴードン・メソッドが仕事を変える」

・本書は、人が生きる場での「相互理解・相互尊重」の大切さを講演、研修などで伝える親業訓練協会公認インストラクターの著者が、職場において相手と信頼関係を築いていくためのコミュニケーションの方法や考え方を伝えることを主眼とした1冊。

・職場でも家庭でも、生きていくうえで人間関係は人生に大きな影響を与える。人間関係をベストな信頼に満ちたものにできれば、仕事の質が上がり、そこから生み出される製品やサービスの品質が向上し生産性も上がる。また、家庭は居心地ののい温かい場所になる。しかし、現代社会では、人と直接コミュニケーションをとらなくてもインターネットで情報が得られ、買い物もでき、友人とさえネット上でのやり取りでという生活をしている人も多く、生身の人間とのコミュニケーション能力が衰えているように著者は感じている。
・自分の人生を自分らしく、よりよく、前向きに生きていくためには周りの人の協力が必要。お互いに気持ちよく協力したり、協力されたりできることで、仕事も人生も豊かになる。そのためには周りの人と分かり合えるコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが不可欠である。
・挨拶をしながら相手の様子を観察することで、未然にトラブルが防げる。毎日の挨拶の際にそうしたことを日頃から意識していると職場や顧客への対応がレベルアップする。未然にトラブルを防げるように普段から気を配ることが必要。トラブルが起きてから対処するのでは遅いので、挨拶をしながら五感を使って相手を観察し、サインをキャッチすることを習慣にすること。

・コミュニケーションの土台である挨拶は、会話を始める大きなきっかけにもなる。そもそも挨拶とは、相手の存在を認め、相手を尊重する行為を言葉や態度で表したもの。同じ空間にいながらあいさつがなかったら、「無視された」、「嫌われている」などの誤解も生じる。自分の存在を行為的に見てもらえるように挨拶を大切にすることを本書で勧めている。また、挨拶をする時には目線を合わせることでより安心感が生まれる。話は耳で聞く行為ではあるが、実は目線がしっかり合うことで、相手は聞いてもらえたという実感が持てるのだ。

・コミュニケーションにあたっては、言葉そのものだけでなく視覚、聴覚、触覚もコミュニケーションの土台づくりに欠かせない大切な要素であるという意識を持つことで、より正確なコミュニケーションができる。著者は日頃からのコミュニケーションにおいて、
①目配り(相手に目線を配る)
②気配り(気配を感じ、気を配る)
③心配り(思いやりの心を配る)
④言葉配り(言葉を選んで配る)
を意識しているとのこと。

・本書では、「職場に欠かせないコミュニケーションの重要性」「コミュニケーションのスタイル」「行動の四角形ですっきり整理」「行動の四角形のそれぞれの領域(問題なし・自分が問題を持つ・相手が問題を持つ)でできること」「よりよい生き方の計画づくり」という章で構成されており、実例を基にした会話例を通じて、ベストなコミュニケーションとはどのようなものかが理解できる内容となっている。

#瞬読アウトプット  #1分書評 #日本規格協会 #コミュニケーション

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