情報インプットトライアスロン

8月15日。窓からこぼれる柔らかな光に目覚める。時計を見ると午前7時半。いつもより少し遅い起床だ。Nakajimaは既に日向ぼっこを始めている。彼の存在が、この部屋に静かな安らぎをもたらす。

ベッドから出て、カーテンを開ける。アーンドル・スクエアの緑が目に飛び込んでくる。木々の葉が風に揺れ、光と影が踊っている。この景色を見るたびに、ロンドンに来て良かったと思う。

朝のルーティンを始める。ヨガマットを広げ、深呼吸をする。体が少しずつほぐれていく感覚。姿勢を変えるたび、床板がかすかにきしむ。この古い建物の音も、今では生活の一部だ。

ヨガを終え、キッチンへ向かう。コーヒーを淹れながら、今日の予定を頭の中で整理する。午後にはThe Rosemary Gardenで執筆作業。夕方にはDr. Goldsteinとの対話。そして夜は...。

ふと、窓の外に目をやる。空はどんよりとしていて、雨の予感がする。傘を持っていくべきか迷う。ロンドンの天気は本当に気まぐれだ。

朝食を摂りながら、スマートフォンをチェックする。SNSには相変わらず情報が溢れている。しかし、その中に本当に価値のある情報はどれほどあるのだろうか。画面を見つめながら、ふと考え込む。

食器を片付け、着替えを始める。クローゼットを開けると、整然と並んだ服が目に入る。しかし今日は、何を着ていけば良いのか決められない。結局、いつものハリスツイードのジャケットを選ぶ。

準備を終え、鞄を持って玄関に向かう。ドアを開ける前、祖父の形見の銀製懐中時計を手に取る。その重みが、私に何かを語りかけているようだ。

深呼吸をして、一日の始まりに身を委ねる。ドアを開け、階段を下りていく。各階の住人の気配を感じながら。古い建物の独特の匂いが、私の鼻をくすぐる。

外に出ると、湿った空気が肌を包む。雨はまだ降っていないが、その予感が空気を重くしている。歩き始めると、靴音が静かな通りに響く。

The Rosemary Gardenに向かう道すがら、行き交う人々の表情を観察する。忙しなく歩く人、のんびりと散歩を楽しむ人。皆それぞれの物語を抱えているのだろう。

カフェに到着。いつもの席に座り、ノートPCを開く。画面に向かいながら、ふと考える。この日常の一コマ一コマが、私の人生そのものなのだと。そして、それを言葉にすることが、私の仕事なのだと。

指先がキーボードの上を舞い始める。今日も、新たな物語が紡がれていく。

Atogaki

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はじめまして、Ichiです。ロンドンを拠点に活動するフリーランスのライターです。日常の小さな発見や、文化の狭間で感じる思いを言葉にすること…

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