見出し画像

『RRR』...。feat.長濱ねる

長濱ねるさんのエッセイは僕の人生を少し変えた。

まず、オディロンルドンの絵に対する見方を変えてくれた。この点は、以前書いたnoteにもまとめてある。この1点においてのみフィーチャーしても、僕はこの本を読んだ価値があったと思っている。

ネッセイ(勝手に考案した”長濱ねるさんの書いたエッセイ”の略称)が変えたものはそれだけじゃない。そう、僕に映画『RRR』を見るきっかけをくれた。

おそらく、世間的には「え、今?」というような感覚でしょう。日本での公開が始まったのは去年秋。メインの上映期間はとうに過ぎており、タイミングとしては明らかに”遅過ぎる”。しかし、当時タイムリーなうちに見た人たちが「もう一度見たいよね」とリバイバルが起こる時期になるにはまだ”早過ぎる”。あまりにもタイミングとして中途半端だ。

まぁ、少し引いて見てみれば、このタイミングの悪さこそが僕の主張(=ネッセイがあったからRRRを見た)をより引き立てているような気もする。

というわけで、ネッセイ、絶賛発売中です。

さて、『RRR』について少しだけ話したい。

正直に言おう。よくわからなかった。”わからなかった”、というのは、例えば『涼宮ハルヒ(現在視聴中)の憂鬱』でいうところの、時間軸だったり複数の世界線を整理するのに難航した、というような意味ではない。シンプルにわからなかった。

もちろん、これは僕が全て悪い。僕が悪いと思っているから、この文章が書けている。以降では、具体的に何がわかりにくかったのか、印象に残っている幾つかのシーンを紹介したい。

ここから先は

1,886字
強いていうなら圧倒的に安いです。

Ichi in London

¥120 / 月 初月無料

はじめまして、Ichiです。ロンドンを拠点に活動するフリーランスのライターです。日常の小さな発見や、文化の狭間で感じる思いを言葉にすること…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?